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剣豪にして文豪。令和第2弾『仮面ライダーセイバー』は平成テイスト満載か?

先日製作発表記者会見が行われた『仮面ライダーセイバー』。令和仮面ライダー第2弾がどのような作品になるのか、解禁された情報をシリーズ過去作品との共通点・相違点からひも解いていきます。

絵を描く戦隊レッドと並ぶ、小説家ライダー

『仮面ライダーセイバー』キービジュアル (C) 2020 石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映
『仮面ライダーセイバー』キービジュアル (C) 2020 石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映

 2020年9月6日(日)から放送開始される令和第2弾『仮面ライダーセイバー』。先日7月29日に製作発表記者会見が行われ、主人公・神山飛羽真(とうま)役の内藤秀一郎氏をはじめとするメインキャスト、柴﨑貴行監督と脚本の福田卓郎氏、主題歌を担当する東京スカパラダイスオーケストラらが登壇しました。

『仮面ライダーセイバー』は剣豪にして文豪。そのモチーフは「剣」と「本」で、現在放送中の『仮面ライダーゼロワン』から打って変わり、ファンタジー色の強い作風になるようです。また『仮面ライダーゼロワン』の主人公・飛電或斗が大企業の「社長」であったのに対し、今回の主人公・神山飛羽真の職業が作家で書店の店主という「個人事業主」であるのも興味深く感じます。

 発表された仮面ライダーセイバーのデザインも、『仮面ライダーゼロワン』と比べると非常に斬新なデザインでした。仮面ライダーセイバーは左右セパレートされたデザインで、使用するアイテムが左半身に作用するフォームチェンジの形は、『仮面ライダーW』(2009年)や『仮面ライダービルド』(2017年)を想起させます。

左右セパレートのライダーデザインで思い起こされるシリーズ作のひとつ、『仮面ライダーW』。画像は「仮面ライダーW ブルーレイBOX3」(東映)
左右セパレートのライダーデザインで思い起こされるシリーズ作のひとつ、『仮面ライダーW』。画像は「仮面ライダーW ブルーレイBOX3」(東映)

 また10人を超える仮面ライダーが登場するということから、『仮面ライダー龍騎』(2002年)や『仮面ライダー鎧武』(2013年)などで色濃く見られた、平成ライダーシリーズの持ち味「ライダーバトル」の要素を全面に打ち出していることもわかります。

 さらに現実世界を飛び越えた異世界「ワンダーワールド」が登場する設定も、『仮面ライダー龍騎』の鏡の中の“ミラーワールド”や、『仮面ライダーウィザード』(2012年)の精神世界“アンダーワールド”を彷彿させます。加えて仮面ライダーセイバーのイメージカラーが赤であることや、CGによって描かれるドラゴンが登場する点も、上記2作品と共通しています。

 このように『仮面ライダーセイバー』は発表された内容から、20年の間で培われた平成ライダーシリーズのテイストが満載の作品になると考えられるでしょう。「本」と「剣」の異なるモチーフを組み合わせている点も、平成ライダーらしさを受け継いだアプローチです。

 また物語のキーとなる「本」や異世界、ドラゴンの登場などの要素は、ミヒャエル・エンデの児童文学を映像化した映画『ネバーエンディング・ストーリー』(1985年)も彷彿させます。知念里奈さんが演じる本の守護者ソフィアの衣裳も、同作に登場する幼心の君を思わせるものでした。

 本放送が始まれば、物語を書く神山飛羽真/仮面ライダーセイバーと、『魔進戦隊キラメイジャー』の絵を描く熱田充瑠/キラメイレッド、想像力を武器にしたヒーロー2人が日曜日の朝に並ぶこととなります。令和第2弾となる『仮面ライダーセイバー』が、どんな物語を紡いでいくのか、9月6日の放送開始が待ちきれません。

(森谷秀)

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