『パトレイバー EZY』メカニカルデザイン担当とCG監督が語る「メカ中心」制作の舞台裏
メカニカルデザイン 海老川兼武氏インタビュー全文

●海老川氏「3DCGでアップデートされたレイバー達も大きな見どころのひとつ」
――メカのデザイン、CGについて注目のポイントや制作に関するエピソードがありましたら教えてください。
やはり「零式」の登場はビックリしましたよね。今回自分が担当させて頂いたのは、3Dモデルに起こすためのフォルムの調整とディテールアップの作業でした。
出渕監督からは「イングラムの後継機とわかるスタイリングに調整して欲しい」とのオーダーをいただきました。過去に商品化された立体物などは異形なバランスに寄ってる感じのものが多いのですが、EZY版の「零式」はその辺り少し抑えた感じになっております。
子供の頃から大好きだったあの「零式」を、オリジナルデザイナーでもある出渕監督監修の下でEZY版としてあれやこれと相談しながらブラッシュアップできる作業は、本当に幸せでした(笑)
――デザイン、CG制作する上で苦労した点やこだわったポイントはありますか?
CGは構造上の嘘がつけない側面があるため、人物との対比(主にコックピット関連)のスケール調整が最も苦心したポイントでした。また、モデリングの為に情報量を上げる作業もやはり大変でしたね。第3話にはコミック版にしか登場しない「EX-13」という機体の内部フレームが登場するのですが、こちらもまずは外装を含めて全体をデザインし、そこから内部構造を詰めていくという段取りを踏んでおります。
――ご自身が特に気に入っているメカはありますか? そのポイントもあわせてぜひ教えてください。
私の担当ではないのですが、やはり「イングラムプラス」ですね。「イングラムプラス」が凄いのは、EZYのどの版権イラスト見ても、一目でちゃんと「EZYの新しいイングラム」ということがわかるんですよね。違和感なくイングラムと認識出来るのに、ちゃんと新しいイングラムになってる。元のイングラムから意図的にラインを外した肩の形状が、すごくフックになってるのだと思います。
自分が担当した中だと…OPにチラッと登場したりもしてるのですが、そちらはまた別の機会に……。
――レイバーは汎用人間型作業機械=「働くロボット」という印象が強いですが、そのリアリティを出すために意識している点はありますか?
例えば90年代の建設機械などもゴツゴツしたイメージが強かったですが、現代では流線型のきれいなラインが入っていたりもします。そういう30年の進化をレイバーにも重ねられたら良いなと、意識しました。
過去作は「10年後あるかもしれない未来」に存在するレイバーという立ち位置でしたが、今回はその「あるかもしれないレイバーがあった世界の30年後」という少し難しい立ち位置です。
元の世界観を壊さぬよう、パトレイバーにほんの少しだけでも新しい「30年の進化」を残せたらいいなと思っています。
――最後に、EZYの魅力を改めて教えてください。
久し振りとなる新作『パトレイバー』です。長年応援してくださっているファンの皆様にも、今回初めて触れる方にも楽しんでいただける楽しい作品になっていると思います。
新しい特車二課の面々が織りなすドラマと一緒に、3DCGでアップデートされたレイバー達も本作の大きな見どころのひとつになってると思います。ぜひ劇場のスクリーンでその動く姿をチェックしてみてください!


