『パトレイバー EZY』メカニカルデザイン担当とCG監督が語る「メカ中心」制作の舞台裏
CG監督 森泉仁智氏インタビュー全文

●森泉氏「(零式は)改めて旧作を何度もみながら作りました」
――メカのデザイン、CGについて注目のポイントや制作に関するエピソードがありましたら教えてください。
イングラムの3Dモデル制作は出渕さんのOKがなかなか出ず、何度も修正を行いました。
出渕さんの頭の中にイングラムの3Dがあって、それと3Dモデルデータとの印象が違うのだろうと考えるようになってから、出渕さんが描かれた設定の3面図を何度も見直し、自分の頭の中で3Dを再構築して改めて実際の3Dモデルデータ調整を行い最終のモデルデータが完成しました。
イングラムは特にメカの内部構造の設定がしっかりと理屈が通った状態で描かれていたため、その構造を加味して3Dが可動するように作っています。ただ設定の理屈通りに作っても良いコマが作れないときもあるので、そこはなるべく作画にも見劣りしないようにCGで表現をしています。
――CG制作する上で苦労した点やこだわったポイントはありますか?
作画のキャラクターと3Dのレイバーや車両が乖離しないように気を付けました。
アニメーションの作業ではフルコマをメインにするのではなく、コマ抜きをメインとした作り方をしました。見た目も作画のキャラクターのセルとなじむように、セルに近い表現かつブラシ処理や特効などのニュアンスを入れて素材を作成しました。
背景や人との対比(サイズ感)にはとても気を使っています。実際に存在した場合の大きさを想像、実感してもらえるようにしています。
――ご自身が特に気に入っている メカはありますか?そのポイントも併せてぜひ教えてください。
イングラム2号機、零式は思い入れもあり気に入っています。2号機は頭部の形状は出渕さんと何度もやり取りして作成しました。
零式はモデルはもちろんですが、アニメーションでも旧作の印象を崩さず、零式らしさを補完したつもりです。改めて旧作を何度もみながら作りました。
――レイバーは汎用人間型作業機械=「働くロボット」という印象が強いですが、そのリアリティを出すために意識している点はありますか?
レイバーの内部構図の設定がないものは、近い実在する重機の構造を調べり、イングラムの内部構造を参考に可動の仕方を想像して、メカニカルな動きの印象になるようにアニメーションさせました。また、重さが出るように光源と影の出方も工夫しています。
ちょうど会社の窓から工事現場が見えているので、動いている重機をみる事ができ、それらも良い参考になっています。
――最後に、EZYの魅力を改めて教えてください。
特車二課らしい個性豊かなキャラクター達が繰り広げる人間ドラマが、『パトレイバー』、そして今回の『EZY』の魅力の一つだと思います。
当然イングラムも活躍します。そして10年後においては定かではないですが、実在する街が出てきたり、現在の延長を描いているので、『EZY』が想像したちょっと未来の10年後も観ていただく際の楽しみの一つかと思います。
(マグミクス編集部 アニメ担当)


