東映アニメ作品「4作目」の意外な共通点。デジモン、セラムン、プリキュアも…?
「ジンクス」はシリーズ存続に必要だった?

最初に明かしますと、ジンクスとは「人間が変身する」ということでした。
シリーズというものは存続していく中で閉塞感におちいることがあります。そのため、以前と違ったことをしよう、以前のお約束をあえて壊してみようと考えることがあるようです。
前述した2作品の共通点は、それぞれ理由は違いますが、この閉塞感から脱出するために大胆な変革を行ったためなのでしょう。どちらの作品も、戦いがメインのバトルものですが、登場する人間は直接バトルに参加しません。だからこそ、そこにあえて挑戦して人間を戦いに参加させようとしたのでしょう。
しかし、ジンクスですから当てはまっているのはこの2作品だけではありません。この2作品ほど明確ではありませんが、他の東映アニメーション作品の4作目でも「人間が変身」という共通点がありました。
「プリキュア」シリーズ第4弾『Yes!プリキュア5』(2007年)ではイケメンの男性に変身するココとナッツという妖精が登場します。
プリキュアの妖精といえば、お世話したり、変身アイテムになったりするのが、それまでの基本でした。以降のシリーズでもほとんどの妖精がそのパターンを踏襲しています。本作品ではその定番を壊した意欲作でした。
「美少女戦士セーラームーン」シリーズ第4弾『美少女戦士セーラームーンSuperS』(1995年)では、ゴールデン・クリスタルを守護していた少年エリオスがペガサスに変身します。マンガでは呪いでしたが、アニメでは自在に変身しているような描写になっていました。
「おジャ魔女どれみ」シリーズ第4弾『おジャ魔女どれみドッカ~ン!』(2002年)では、赤ん坊だったはなちゃんが、どれみたちと同じ歳に成長しましたが、これは変身というには強引ですね(笑)。というか、おジャ魔女は普通に魔法で変身するので、最初から変身要素があります。
一部、強引な解釈もありましたが、並べてみると、東映アニメーション4作目のジンクスは納得できる点があるかと思います。いつかまた東映アニメーション作品がシリーズ4作品目になった時、あらためて検証してみたいと思います。
(加々美利治)