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『エヴァ』二次創作のガイドラインが出された理由は? 読み解いて見えてきた目的

2020年12月28日、株式会社カラーは「エヴァンゲリオン」シリーズのファン創作物の公開に関するガイドラインを発表しました。1995年にTVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』が放送されて以降、同人誌をはじめとする膨大な二次創作を生み出す原動力となった本作が目指す新たな世界を考察します。

『エヴァ』ガイドラインは、ファンの安心のため

『劇場版 NEON GENESIS EVANGELION - DEATH (TRUE) 2 : Air / まごころを君に』DVD (C)カラー
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 2020年12月28日、『エヴァンゲリオン』(以下、エヴァ)の二次創作を愛する方々の間に激震が走りました。現在『エヴァ』の原作権を保有する株式会社カラーから、二次創作に関するガイドラインが発表されたのです。

 表題は「『エヴァンゲリオン』シリーズのファン創作物の公開に関するガイドライン」。目的としては「ファンの方々に安心してファンアートなどを制作していただくためのルール」とあります。『エヴァ』の二次創作、特に同人誌は1990年代半ばから後半にかけてコミックマーケットを埋め尽くし、その後も安定して作品が供給される固定ジャンルとして愛されてきました。当然莫大なお金が権利者と無関係のところで動いており、むしろ今までガイドラインがなかったのがおかしかったとも言えるでしょう。

 今回公開された内容は以下のようになっています。

・全年齢向けのSNS一般
・イラスト投稿サービス
・小説投稿サービス
・動画投稿・配信サービス一般

 意外なことに、今回対象となったのはWebに直接アップされる無償のファンアートが中心で、同人誌についてのルールは、現在検討中とアナウンスされています。ガイドラインには「商用利用を目的とするものは、個別に作品の使用許諾が必要です」とも書かれているため今後は同人誌にも適用される可能性がないとは言えません。しかし許諾を行うための人手や時間を考えると、それほど現実的な話とは思えないのが正直なところです。

 果たして、なぜ今カラーはこのガイドラインを発表したのでしょうか。間もなく公開される『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が関連している可能性はむろん大きいと思われますが、内容を精査していくと、自由な二次創作の阻害や権利を振りかざして金銭化する目的ではなく、むしろ健全な二次創作を守り、広めていきたいという視点が浮かび上がってくるのです。カラーは『エヴァ』が二次創作と共に発展してきたことを正確に認識しており、これからも共に歩みたいという意志の表明が、ガイドラインと言う形になったのではないかと思えるのです。

【画像】まあまあとがってる!公式の『エヴァ』本

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