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『仮面ライダーアギト』放送20周年。平成ライダーの「スタンダード」確立した意欲作

放送から20周年を迎えた平成ライダーシリーズ第2弾『仮面ライダーアギト』は、さまざまな仕掛けにチャレンジした意欲作でした。そして、それは後の仮面ライダーシリーズでスタンダートになっていきます。

続編として製作されながら、大胆な変革も

『仮面ライダーアギト』ポスタービジュアル (C)2001 石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映
『仮面ライダーアギト』ポスタービジュアル (C)2001 石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映

 2001年1月28日に放送開始した『仮面ライダーアギト』は、本日で20周年を迎えました。平成ライダーシリーズの基礎を築いたとも言われる、その魅力について振り返ってみましょう。

本作は「仮面ライダー30周年記念番組」で、第1話冒頭では「30th Anniversary」と表記されていました。前作『仮面ライダークウガ』のヒットにより、続けて仮面ライダーの名前を冠する作品として誕生した本作は、当初は「前作の2年後」という設定で、企画段階ではクウガとの共演もあったそうです。

 そのため、続編と思わしき設定が随所に見受けられました。しかし、結果的にクウガとは別の世界というかたちになります。ただし『仮面ライダーディケイド』など、その後に製作された複数のメディア展開で関連付けた作品が多くありました。

 本作では3人の仮面ライダーが活躍します。この複数の仮面ライダーが最初から登場するという展開は今までにありません。これにより、それまでにはなかった「仮面ライダー同士の戦い」という要素が作品に加わります。そして、後番組である『仮面ライダー龍騎』では、その点をメインとして作品が作られていました。

 後のシリーズでも、この仮面ライダー同士の戦いは効果的に使われ、本作が仮面ライダーシリーズに残した要素のひとつとなっています。

 3人の仮面ライダーはそれぞれ、「既に仮面ライダーである男アギト」、「仮面ライダーになろうとする男G3」、「仮面ライダーになってしまった男ギルス」という異なった方向性から仮面ライダーを描いていました。

 デザイン的にもクウガを踏襲した平成仮面ライダーらしいアギト、メカを前面に出した強化スーツであるG3(-X)、生物感があり野獣的なギルスと、それぞれが個性的な姿をしています。

 その後のシリーズでは、番組のテーマに合わせて同じタイプの仮面ライダーが複数いるというのが主流ですから、元祖にして、まったく異なるタイプの個性的な仮面ライダーたちを配置していた意欲作だと言えるでしょう。

 この仮面ライダーに変身する3人の人物も個性豊かでした。それぞれを演じた賀集利樹さん、要潤さん、友井雄亮さんは、前作から引き続いて「イケメン」と呼ばれる俳優陣だったことで、子供やファンだけでなく、一緒に見ているお母さん層の興味を引く効果もあげています。番組終了後、3人ともそれぞれ話題になっていたことからも、そのことがわかります。

 同時期に放送していた戦隊シリーズ『百獣戦隊ガオレンジャー』とともに、特撮作品が新人役者の登竜門となり始めた、初期の作品と言えるかもしれません。

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