『鬼滅の刃』の“憎めない鬼”5人 宿敵でも悲しい過去に同情してしまう
一大ブームを巻き起こしたアニメ『鬼滅の刃』。同作といえば個性的な鬼との戦いが大きな見どころですが、その鬼も元々は人間。鬼と化してしまった姿に炭治郎は同情し、いつくしみの言葉を贈るシーンが度々描かれています。そこでこの記事では、つらく悲しすぎる過去を持つ“憎めない鬼”を5人選んでご紹介します。
炭治郎も同情…悲しい過去を持つ鬼や、鬼であることに苦しむ鬼たち
現在、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が公開中ですが、TVアニメ2期『遊郭編』の2021年放送が決定するなど、まだまだブームが続きそうな『鬼滅の刃』。
同作といえば鬼との戦いが見どころのひとつ。そんな鬼も、鬼舞辻無惨に血を分けられる前は人間です。そのため、宿敵ながら同情してしまうほどつらく悲しい過去を持つ鬼や、鬼であることに苦しむ鬼も多く登場。いつくしみの言葉などを投げかける炭治郎が印象的です。
この記事では、そんな“憎めない鬼”たちを5人ピックアップして紹介します。
※まだアニメ化されていないシーンの記載があります。原作マンガを未読の方はご注意ください。
●「響凱」認められたかっただけ…
響凱(きょうがい)はアニメ第11話で登場する、かつては鬼舞辻直属の配下である十二鬼月だった鬼で、身体に鼓を生やしている“鼓屋敷”の主。「どいつもこいつも余所様の家にづかづかと入り込み腹立たしい」などと、鬼なのに神経質で礼儀にウルサイ。
そんな響凱が人間だった頃は、鼓を叩くことが趣味の文筆家。『里見八犬伝』を好み、自身も伝奇小説を書いていた模様。周囲から評価されず、最期まで日の目を浴びることはありませんでした。「つまらないんだよ、君の書き物は」と酷評し、執筆した原稿用紙を踏みつけた人物を惨殺。響凱は認められたかっただけなのです。
響凱との戦いにおいて、炭治郎は鼓屋敷に散らばった原稿用紙を踏みつけず勝利。響凱は死の間際に「あの小僧(炭治郎)にとっては踏みつけにするようなものではなかったのだ」「認められた」と、泣きながら消えていきました。
●「累」家族の絆が恋しくてたまらない…
那田蜘蛛山の戦いで登場した、十二鬼月のひとりである「下弦の伍」の鬼・累(るい)。炭治郎が初めて遭遇した十二鬼月であり、“家族の絆”に飢えるつらく悲しい過去を持つ鬼です。
那多蜘蛛山で5人家族の「末弟」として暮らしていますが、本当の家族ではなくいわゆる“おままごと”。他の鬼を、鬼舞辻無惨のように自分の血を飲ませることで自身に似た“蜘蛛”のような姿の鬼に変貌させることができます。
そんな累との戦いで、炭治郎は死を覚悟するなど大苦戦。倒れながらも妹・禰豆子を庇おうとする炭治郎を見た累は消える間際、過去の記憶が蘇るのです。人間だったかつて、生まれつき歩くのさえ苦しいほど病弱だった累でしたが、あるとき無惨が現れ血を分けてもらうことで鬼になります。
元気になったものの、鬼と化した累を包丁で殺そうとする両親。それを累は「俺たちの絆は本物じゃなかった」と返り討ちに。しかし父は「大丈夫だ累、一緒に死んでやるから」と息子が人を殺した罪を背負って一緒に死んでくれようとしていたのです。
その瞬間、家族の絆を自分の手で切ってしまったことに気付き、毎日毎日家族が恋しくてたまらず、偽りの家族を作っても満たされない日々を過ごすことになるのです。