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『こち亀』両さんと大原部長の「感動的な絆」4選 上司と部下の関係を超えた名コンビ

『こち亀』の主人公・両さんと大原部長は名コンビ。憎まれ口を叩き、いつもいがみ合っているふたりですが、強い絆で結ばれています。この記事では、両さんと部長にまつわる感動的なエピソードをTVアニメ版から4話ピックアップして紹介します。

大原部長への感謝の思いは1000万円級!?

(画像:写真AC)
(画像:写真AC)

 秋本治さんの国民的名作『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(以下、こち亀)。2021年10月にコミックス新刊201巻が発売され、再び注目を浴びました。

 同作といえば、破天荒な警察官の「両さん」こと両津勘吉(りょうつ・かんきち)に、上司の大原(おおはら)部長がカミナリを落とすくだりが名物。いつもいがみ合っているふたりですが、亀有公園前派出所で長年共に働いているだけに、心の底から仲が悪いわけではありません。

 この記事では、両さんと部長のアツい「絆」が垣間見えるエピソードをTVアニメ版から4つピックアップ。実は、理想的な上司と部下の関係だと思い知らされる、感動的なシーンを紹介します。

●アニメ第287話「最後のプレゼント」

 両さんの、部長に対する並々ならぬ感謝の思いが伝わる名エピソードです。

 物語冒頭、大原部長が本庁に栄転することが決まるシーンから始まります。そのことを知った両さんは、憎まれ口を叩きながらもどこか寂しそう。栄転祝いに署内でお金を出し合って部長にプレゼントを贈ることにします。

 そこで両さんが部長の妻から日本刀を欲しがっている情報を聞きつけ、お気に入りが展示されているというデパートに足を運びます。すると、そこには部長の姿が。部長が欲しがっていた日本刀はなんと100万円もする名刀だったのです。

「栄転祝いにしても高すぎる……」と悩む両さんでしたが、昔、部長に昇進祝いで最高級の背広を買ってもらったことを思い出し「部長の栄転祝いなんだ。最高のプレゼントを贈らなきゃな」と購入を決意します。

 部長がいぬ間に派出所に刀が届きますが、両さんがチャンバラをして刃を欠けさせてしまいます。誰にもバレないように刀を削って直そうとしますが、大きく曲げてしまいボロボロに……。

 両さんは「わしが贈る最後のプレゼントになるかもしれないんだよな」と仕事を休み、まるで鍛冶屋のように変貌した自宅で、元の鞘に収まる日本刀を自作することに。はじめはグニャグニャでしたが「いい加減な物を贈れるか!」と何本も必死に作り続けるのです。一方、両さんのいない派出所では部長が「最後くらいはあいつと過ごしたいと思ったが……」と寂しそう。この両者の対比が視聴者に感動を与えました。

 部長の栄転発表当日、ついに納得する日本刀ができ上がり、両さんは会場の葛飾署へ到着。「今までお世話になりました」と、部長にサプライズプレゼントとして刀を渡します。感動すると思った部長でしたが「こんな物は受け取れん!」と拒否。両さんは偽物だとバレたと思い、自白して謝罪するのですが、部長は「これほど見事な日本刀を見たのは初めてだ。1千万円はくだるまい」「さっき受け取れんと言ったのは、あまりに高価な品だと思ったからだ」と理由を話します。

 部長に少しでも良いものをプレゼントしようとした両さんが、買った物よりすごい品を作ってしまう、胸が熱くなる名エピソードでした。

 ちなみに最後は、切れ味が鋭すぎるその日本刀で本庁への辞令まで切ってしまい、栄転が取り消しとなってしまうオチで終わりました。

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