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原作『こち亀』の自由すぎな完結 20年前のアニメ最終回としたら「違いすぎ」

40年目に幕を閉じたマンガ『こち亀』の最終回は、衝撃的で今も鮮烈に覚えています。ところでアニメはどんな終わり方をしたのでしょうか。絶妙に記憶をすり抜けてしまった、アニメ『こち亀』の最終回を原作と比較します。

アニメが終わって20年…原作よりも「終わらせ方」は丁寧だった?

TVアニメ版『こちら葛飾区亀有公園前派出所』キービジュアル (C)秋本治・アトリエびーだま/集英社・ADK
TVアニメ版『こちら葛飾区亀有公園前派出所』キービジュアル (C)秋本治・アトリエびーだま/集英社・ADK

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(作:秋本治)は、2016年の週刊連載終了から8年が経過しました。現在も定期的に新作が発表されているとはいえ、『こち亀』の連載終了の衝撃は今なお鮮烈に思い出されます。

 誰もが注目した、「週刊少年ジャンプ」での最終回(連載終了回)の内容を振り返りましょう。「こち亀復活キャラベスト10」という10年前にも行った企画に振り切り、長い連載のなかで埋もれていった名物キャラたちが登場するというものでした。

 第2巻に登場した「ポール」がランクインするも、秋本先生の絵柄が変わったためにうまく再現できないという、長期連載だからこそできるギャグなどが冴え渡ります。さらに同時発売されるコミックス第200巻では、「オチ」が違うという秋本先生らしい離れ技を披露しました。最後は読者に向けて、『こち亀』キャラたちが「今までありがとう」と感謝を述べて終わります。

 予想された感動回でもなく、かといって全くの通常回のように終わるという肩透かしもせず、ひとまずの「区切り」を読者に示す、週刊連載の達人ならではの終わり方でした。

 ところで、『こち亀』のアニメの方はどういう最終回だったか、覚えていますか。

 アニメ『こち亀』も、1996年の放送開始から実に長いこと放送されていました。毎週日曜日の19時は、『こち亀』を視聴することが習慣だった人も多いでしょう。とはいえ月日が経って年齢も上がり、生活の変化からアニメ『こち亀』を「卒業」していた、という人も少なからずいるはずです。筆者もそのひとりでした。

 実際のところ、『こち亀』のアニメは2004年12月9日にレギュラー放送を終了しており、すでに20年もの歳月が流れようとしているのです。その後、特別編が複数回放送されています。さて、レギュラー放送最終回「さよなら両さん大作戦」はどんな内容だったかというと……。

 ある日、急に「両津勘吉(両さん)」の勤務態度が真面目になり、周囲がいぶかしむなか「両さんが本庁に栄転する」といううわさが広まります。うわさを知った人びとは両さんの前途を祝し精一杯優しく接するのですが、実はこれこそ両さんの作戦であり、栄転のうわさも自分で流したものでした。

 さて、だんだんと事態が大きくなり、とうとう亀有商店街をあげての大送別会が催されることになります。その最中に嘘がバレて、両さんはいつも通り部長をはじめとする亀有の人びとから大目玉をくらうのでした。

 こうしてみると、とても「最終回」らしい最終回です。さらにこの後、『こち亀』主要キャラが大集合し、「8年間どうもありがとう!」とお別れの挨拶をするオマケまで用意されていました。そして、最後の最後は部長の「バカモーン」で両さんが逃げるカットで終わるのです。

 比べてみると原作よりアニメの方が、「最終回」らしい締め方だったと言っても過言ではないでしょう。アニメのレギュラー放送終了から20年の今、昨今の「再アニメ化」ブームの流れのなかで、アニメ『こち亀』の復活の胎動を感じるのは……気のせいでしょうか。

(片野)

【画像】え…っ?30年以上前に「ニセ最終回」があった? こちらがその際に両さんと戦った『ドラゴンボール』キャラです

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