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『鬼滅の刃』禰豆子が鬼と戦い、守ろうとした人たち 鱗滝の暗示から自らの意志へ

『鬼滅の刃』の主人公、竈門炭治郎の妹、禰豆子は鬼にされてしまいましたが、人間を食べることはありません。しかし、切断されても体を復元でき、血鬼術を使うなど、鬼としての能力は持っていました。その能力を鬼と戦うために使う禰豆子は、誰を守ろうとしたのでしょう……?

鬼になった禰豆子は、誰を守ろうとして鬼と戦うのか…?

炭治郎と禰豆子の兄妹は互いを守り合う TVアニメ『鬼滅の刃』キービジュアル第1弾 (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
炭治郎と禰豆子の兄妹は互いを守り合う TVアニメ『鬼滅の刃』キービジュアル第1弾 (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

『鬼滅の刃』の主人公・竈門炭治郎の妹である禰豆子は、鬼舞辻無惨によって鬼にされてしまいましたが、人間を食べることはありません。しかし、日光を嫌い、足を失っても短時間で再生するなど、禰豆子にも一般的な鬼の特徴は備わっています。禰豆子の場合、身体能力や鬼としての能力が、『鬼滅の刃 遊郭編』で対峙する上弦の鬼も驚くほど高いのが特徴です。

 禰豆子の鬼の能力、血鬼術は、体を幼児のように小さくしたり大人サイズにできたりする体格変化と、自らの血で相手を燃やしたり、爆発させたりできる「爆血(ばっけつ)」です。爆血によって人間や衣類、武器などは燃えませんが、人間の体に影響している鬼の毒を抜くこともできます。

 誰を守るため、禰豆子は、自分も鬼であるにもかかわらず、鬼と戦うのか? 本稿では、禰豆子の戦うシーンから、彼女の戦いの意味を考えてみようと思います。

※この記事では、まだアニメ化されていないシーンの記載があります。原作マンガを未読の方はご注意ください。

●炭治郎を守る禰豆子 鬼になっても変わらない兄弟愛

 禰豆子は、鬼になった直後、炭治郎を襲おうとしますが、そこに現れた冨岡義勇に捕らえられます。しかし禰豆子を守ろうとした炭治郎が義勇にひどくやられるのを見た時、胸が「ドクン」と音を立てたのです。そして、炭治郎の攻撃に一瞬、ひるんだ義勇を蹴り飛ばすと、義勇から炭治郎を守ろうと立ちはだかるのでした。

 その後も、炭治郎を襲うお堂の鬼の首を蹴り飛ばして助けますし、那田蜘蛛山は下弦の伍である累に対し、血鬼術を使って炭治郎を助けます。

 TVアニメ放送に期待が集まる『鬼滅の刃 遊郭編』でも、禰豆子が炭治郎を守ろうと激しく戦うシーンがありますのでお楽しみに。

 炭治郎は彼自身が言った(心の中で)「長男だから我慢できたけど、次男だったら我慢できなかった」という言葉からも長男であることを理由に、強い使命感を持っていることが分かります。鬼にされる前の禰豆子は、進んで幼い弟の世話をし、自分は我慢して下の弟や妹のことを優先する使命感の強い、家族思いの優しい娘でした。炭治郎と同じように、現代とは違う長女観があり、「長女だから家族のために尽くさなきゃ」などと思っていたとしても不思議ではありません。そして、そんな禰豆子だからこそ、心まで鬼になりきる寸前で自我を取り戻し、炭治郎を守るという行動に出たのではないかと考えます。

●鱗滝左近次が禰豆子にかけた暗示の力

 炭治郎が育手である鱗滝左近次(うろこだき・さこんじ)のもとで修行し、鬼殺隊の一員となって鱗滝の家に戻ってくるまでの間、こんこんと眠り続けた禰豆子。その間に、鱗滝は禰豆子に「人間はみな、お前の家族だ」「人間を守れ。鬼は敵だ」「人を傷つける鬼を許すな」と暗示をかけたと言います。

 その暗示の効果は、沼鬼との戦いにおいて見ることができます。沼鬼にさらわれた婚約者を探す男性と、沼鬼がさらった女性のふたりを自分の弟と妹だと思った禰豆子は、鬼を倒すために戦うことを決意するのです。

 これと同じ誤認の現象は、無惨が刺客として送り込んできた朱紗丸(すさまる)と矢琶羽(やはば)から珠世と愈史郎を守った時にも見られました。刺客を撃退した後、珠世を自分の母だと思って抱きつき、愈史郎のことは弟だと思って頭をなでなで。

 人間が家族に見えるはずの暗示で、鬼である珠世と愈史郎を守ったのは、禰豆子がふたりを鬼ではなく人間だと判断したからだという炭治郎の説明を聞いた珠世は思わず涙し、「ありがとう」と禰豆子を抱きしめたのでした。

 続いては、禰豆子が鱗滝の暗示を離れ、自分の意志で戦った相手についてみていきましょう。

人間のために、仲間のために、鬼と戦う禰豆子

●無限列車での鬼との戦いで守るのは…

 禰豆子は、自分の意志で鬼と戦うようになります。敵意をむき出しにして刀まで向けてきた不死川実弥(しなずがわ・さねみ)にすら手を出さなかった禰豆子ですが、無限列車では、乗客を守るために、炎柱の煉獄杏寿郎(れんごく・きょうじゅろう)や善逸とともに人間を助けるために鬼としての能力を惜しみなく出し、血を流しながら戦ったのです。

 それを見た杏寿郎は「俺は君の妹を信じる」「鬼殺隊の一員として認める」と言い、そして「胸を張って生きろ」という言葉を遺したのでした。

 こうして禰豆子は鬼殺隊の鬼狩りでも、自らの意志で戦い、力を発揮するようになっていったのです。

●鬼殺隊の一員として仲間を守る禰豆子

 刀鍛冶の里での戦いでは、禰豆子は戦い方を工夫し、鬼殺隊の仲間たちを守りながら戦うほどに成長します。

 戦い方では、相手にしがみついて血鬼術・爆血で相手の体を燃やすほか、炭治郎の刀に自分の血を塗って燃やし、刀に爆血の威力を加えるという「爆血刀(ばっけつとう)」をあみだしました。

 そして、不死川玄弥(しなずがわ・げんや)を助けたり、恋柱・甘露寺蜜璃(かんろじ・みつり)を守ったりと、他の隊員との連携もできるようになったのです。

* * *

 鬼化した禰豆子は「幼子のような状態」でしたが、善逸や伊之助、蝶屋敷の女の子たち、柱をはじめ鬼殺隊の隊員たちと触れ合うなかで、次第に大切なものが増え、変わっていきました。炭治郎ひとりを守っていたのが、誤認とはいえ家族を守り、そして、仲間を守るようになり……。

 禰豆子は鬼になっても心はけっして鬼にはならず、人間として成長していったのです。

※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記
※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記

(山田晃子)

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