6/29は『Zガンダム』フォウ・ムラサメの誕生日。避けられぬ悲劇も、美しさは永遠に…
6月29日は『機動戦士Zガンダム』に登場したフォウ・ムラサメの誕生日です。ただし、この設定はTV版の36話でカミーユが見たデータに記されていたものでしかありません。戦災孤児として地球連邦軍のムラサメ研究所に引き取られ、過去を抹消されて強化人間として処置を施された彼女の誕生日が、本当にこの日なのかは不明のままです。
「今の施設で4番めだったからフォウなの。ナンバー4」
6月29日は『機動戦士Zガンダム』に登場したフォウ・ムラサメの誕生日です。ただし、この設定はTV版の36話でカミーユ・ビダンが見たデータに記されていたものでしかなく、本当の誕生日なのかはわかりません。
青い髪と唇の、気が強そうなのにどこか儚げな美人。筆者がフォウを最初に見たときの感想はこのようなものでした。彼女の美しさは、ガンダムシリーズに登場した数多の女性キャラクターのなかでも上位クラスと言えるでしょう。強化人間としての力を振るいサイコガンダムを駆った際の恐ろしさ、街中でのカミーユとの触れ合いの中で見せたひとりの少女としての顔、そして悲劇的な最期も相まって、フォウ・ムラサメは今なお人気の高いキャラクターとなっています。
フォウの初登場はTV版の17話「ホンコン・シティ」。16話でブラン・ブルタークのアッシマーを撃墜し、ニューホンコンに逃げ込んだカミーユたちの前に立ちはだかった新たな敵、それがフォウ操るサイコガンダムでした。
日本のニュータイプ研究施設であるムラサメ研究所からベン・ウッダー大尉のもとに増援として送り込まれたフォウは、戦果を挙げて失われた記憶を戻してもらうために、街のど真ん中へサイコガンダムで乗り込み、カミーユたちをあぶり出そうとします。このときの戦いではまるで怪獣のように街を破壊しており、精神の調整を受けた強化人間が殺人や破壊に対する忌避感を削除されていることが見て取れます。
やがて駆けつけてきたガンダムMK-IIやネモと交戦して圧倒しますが、カミーユの精神感応を受けて撤退に追い込まれます。これがまだ互いの顔も知らないフォウとカミーユの出会いであり、悲劇の始まりとなったのです。
続く18話、19話では生身の状態でカミーユと出会い、互いに惹かれ合う姿が描かれています。ムラサメ研究所4番目の被験者だからフォウと呼ばれていることを明かすほど親密な間柄になるのですが、しょせんは敵同士。再び戦場で相まみえ、カミーユの説得を無視して荒れ狂います。このときフォウが漏らした「嫌いだぁ……」というセリフに込められた情念はすさまじく、担当声優の島津冴子氏による演技が光る場面です。