『スパロボ』の醍醐味? 独自の設定や悲劇回避が招いた、予想外の「三角関係」とは
多くのロボットアニメ作品が混在するゲーム『スパロボ』。独自設定や悲劇回避などでゲームを盛り上げますが、それが思わぬ展開を生むこともありました。
スパロボの独自設定が「公式」になったことも

先日、30周年を迎えて新作が発表されたゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズ、通称「スパロボ」。その最大の魅力は、本来なら共演することのないさまざまな作品のロボやキャラたちが夢の共演を果たすことです。今回はその魅力について紐解いていきます。
ひと口に「共演」といっても、作品によってさまざまな世界観があります。スパロボのスゴいところのひとつが、この異なった世界観を無理なくつなげることでした。作品によって世界観は現代から未来世界、他の惑星、異世界など、実に多種多様です。これらをつなぎ合わせるためにゲーム独自の設定を作り、そこにはめていくという行程は並大抵の苦労ではないでしょう。
そのため、時には本来とは異なった設定が付け加えられることがあります。いわゆるスパロボの「独自設定」です。第1作から遊んでいる筆者は、この独自設定が大好きです。時々、強引だと思うこともありますが、見事に設定として成り立つこともあって、スタッフに拍手を送りたい気持ちになることもよくありました。
例えば、ゲッター3の必殺技である「大雪山おろし」。本来はゲッターの技ではなく、パイロットのムサシの技です。しかし本来と同じくムサシが戦死して、後をベンケイが引き継ぎました。その結果、ゲームではベンケイの乗るゲッター3は大雪山おろしが使えません。そこでオリジナル展開でベンケイを特訓し、大雪山おろしを使えるようにしました。
この結果、大雪山おろしはゲッター3に限らず、上位機のゲッターポセイドンまでも使用、さらに真ゲッター3では大雪山おろし二段返しという技にパワーアップします。
このスパロボの独自設定が逆輸入されることもありました。前述した真ゲッター3が、その最初の例ではないでしょうか。もともと、真ゲッターロボはスパロボの原作となるアニメには登場していません。マンガ版で真ゲッター1と、真ゲッター2の上半身が出ただけでした。それをスパロボで登場させるため、原作者の石川賢先生にデザインしてもらい、スパロボでデビューすることになります。このデザインが後に原作マンガに逆輸入され、さらにアニメ作品にまでなりました。
この勢いで、マジンガーシリーズでも「マジンカイザー」という新マジンガーが誕生して今に至ります。他にも、本編未登場のファイナルダンクーガやグレートゼオライマーなど、本来はなかった強化形態ロボがスパロボを通して世に送り出されました。
最近では、別の作品のロボにパイロットが乗るというシステムもあります。例えば『コードギアス 反逆のルルーシュ』のゼロが乗ったウイングガンダムゼロリベリオン、『蒼き流星SPTレイズナー』のエイジが乗ったスコープドッグ……など。スパロボの独自設定には毎回驚かされるばかりですね。