『機動戦士ガンダム』36話「恐怖!機動ビグ・ザム」激闘の宙域に悲しみが注がれる
1979年12月8日は『機動戦士ガンダム』の第36話「恐怖! 機動ビグ・ザム」が放送された日です。ドズル・ザビは宇宙要塞ソロモンの陥落を悟り、ビグ・ザムを起動。部下を逃がし、連邦軍主力のティアンム艦隊へと特攻を仕掛けます。味方の損害を見かねたスレッガー中尉はアムロとともにビグ・ザムへと突撃を敢行しますが……。
「君の気持ちはわかっている……。が、僕はいつまでも待っているよ」
42年前の1979年12月8日は、『機動戦士ガンダム』の第36話「恐怖! 機動ビグ・ザム」が放送された日です。地球連邦軍の新兵器「ソーラー・システム」による攻撃は、ジオン軍の重要拠点である宇宙要塞ソロモンを引き裂きました。
地球連邦軍がこの日のために用意したRGM-79ジムとRB-79ボールのコンビネーションは多くのザクとドムを撃破し、ソロモン陥落まであともう一歩というところで、ドズル・ザビが搭乗する試作型モビルアーマー「ビグ・ザム」が現れ、連邦軍を恐怖に陥れました。
初代『ガンダム』のなかでも屈指の激戦となったのが、宇宙要塞ソロモン攻略戦であることは疑いようのない事実です。諸説ありますが両軍あわせて1000機以上のモビルスーツが入り乱れて戦っており、その多く、とりわけジオン側のモビルスーツはかなりの数が撃破されています。歴戦のホワイトベース隊ですら35話の時点で度重なる直撃とハヤトの負傷によりガンタンクが戦闘不能に陥っており、戦力は11パーセント低下していました。
もちろん、他のメンバーも無傷ではありません。36話冒頭では、スレッガー中尉のGアーマーが被弾し、ホワイトベースへの着艦・修理を余儀なくされています。その知らせを聞いたミライ・ヤシマは、はた目に分かるほどに動揺し、彼女の気持ちを悟ったブライトは自分がミライを愛していることをほのめかしつつも、スレッガーの元へ向かわせるのです。
戦場にいる以上、いつ死ぬかは分かりません。気持ちを伝えずに後悔するよりも、まず伝えてそれからどうするかを決めればいい。ミライの純粋な気持ちとブライトの男気が映える名シーンと言えるでしょう。
メカマンに修理を任せてハンバーガーにかぶりついていたスレッガー中尉は、戦闘中にブリッジを離れてやってきたミライの様子を見て、すべてを察します。そして「住んでいる世界が違う」と語り指輪を取り出し、「母の形見なんだ」と伝えミライに預けたのです。
……永遠に。