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2021年放送、隠れた名作アニメ一挙振り返り 裏番組が強力すぎて目立たなかった不運も

2021年に放送された、超人気作の陰に隠れてあまり目立つことのなかったTVアニメの良作を一挙に紹介します。そのなかには、あの人気作品の裏番組だったという不遇な立場の作品もありました。

注目度は低かったけれど印象的だった2021年放送のTVアニメ

『SSSS.DYNAZENON』 (C)円谷プロ (C)2021 TRIGGER・雨宮哲/「DYNAZENON」製作委員会
『SSSS.DYNAZENON』 (C)円谷プロ (C)2021 TRIGGER・雨宮哲/「DYNAZENON」製作委員会

 2022年になって早くも1か月経とうとしています。TVアニメも新作ラッシュの真っ最中ですが、ここで2021年に放送されたアニメを振り返ってみましょう。

 ただ話題作を振り返るだけでは、『呪術廻戦』(2020年10月3日~2021年3月27日)、『東京リベンジャーズ』(4月11日~9月19日)、『鬼滅の刃 無限列車編』(10月10日~11月28日)といった超人気作品ばかりになってしまうので、あまりランキングに出てこない筆者のおススメ作品についてご紹介したいと思います。

 まずは『蜘蛛ですが、なにか?』(1月8日~7月3日)。最近ではジャンルとして定番化した異世界転生ものですが、最初から主人公に破格のステータスがあるわけでなく、ただの蜘蛛のモンスターに転生、血みどろの努力をして成り上がっていくという物語です。

 大人気小説が原作ですが、勉強不足の筆者はアニメになるまでその存在を知りませんでした。TVアニメになった時も大々的な告知がなく、知ったのは主演である声優の悠木碧(ゆうき・あおい)さんのTwitterがきっかけです。

 個人的にツボだったのが、この悠木さんの演技力でした。出番のある場面で延々しゃべり続ける「私」のキャラは悠木さんあってのもの。途中で人格が4つになってからは、ボケもツッコミも悠木さんがひとりで演じていて、これでもらえるギャラはひとり分なんだろうなぁ……と変な心配をしてしまうほどの熱演でした。ちなみにハイテンション&早口で難易度の高いエンディング曲も悠木さんによるものです。

 本作はキリのいいところで終了しましたが、まだ原作でアニメ化されていない部分も残されているので、第2期の制作を期待したい作品でした。

 人気作だった『SSSS.GRIDMAN』の続編として製作されたのが『SSSS.DYNAZENON』(4月2日~6月18日)。共に原典は特撮番組『電光超人グリッドマン』です。原典に登場したダイナドラゴンをモチーフにした合体ロボ「ダイナゼノン」を主役メカに、その初登場になる18話「竜の伝説」が物語のベースになっていました。

 正直、1話を原作にどうするんだろう? ……と思っていましたが、アニメスタッフの絶妙なさじ加減で前作に負けず劣らずの名作となっています。特に前作であまりクローズアップしていなかった人間関係に踏み込んで、チームと言う違った魅力を存分に見せてくれました。

 物語の展開もオモチャ販売を意識したかのような展開が多く、普通に子供が見る時間帯に1年間やってほしいと思わせるものだったと思います。これはあえてスタッフが意識してそうしたそうで、子供の心を持つ大人向けといったテイストだったのかもしれません。

 本作も前作同様多くのファンを生んだことから、新プロジェクトとして完全新作劇場版『GRIDMAN×DYNAZENON』(仮称)の製作が発表されています。

 このほかにも『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』(4月1日~6月24日)が一応の完結を見せながらも、2期を思わせるような含みの終わり方で余韻を残しました。筆者個人的には、このやり逃げ感が好きです。また、原作マンガでは未完作品だった『ゲッターロボ アーク』(7月4日~9月26日)も圧巻のアニメ化でした。ただ、原作を知らない人には「ポカン」だったようです。

【画像】2021年に放送された良作アニメ(6枚)

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