球界を席巻する佐々木投手、名前の由来は特撮から 強くて大人気の敵キャラだった?
ライバルとして高い評価を得た狼鬼

このパワーアニマルには戦力として大きな意味がありました。それは、合体して巨大ロボになることができるのです。
当然、狼鬼も最初の3体が合体して誕生する「ガオハンター」という巨大ロボを有していました。そこに、武器などに変形できるパワーアニマルを奪取して、ガオレンジャー側の巨大ロボであるガオキングを徐々に弱体化していきます。
こういったように狼鬼は、いわゆる作中の「ライバルキャラ」として活躍したキャラで、その圧倒的な実力でスーパー戦隊シリーズのなかでも高い人気を誇っていました。しかし敵キャラクターの宿命で、当然のように退場劇があるもの。それにはスーパー戦隊シリーズでは初となる試みとなる仕掛けも用意されます。
実は、過去の記憶を失っていた狼鬼には重大な秘密がありました。それは純粋なオルグではなく、千年前のガオレンジャー・シロガネが自我を奪われたものだったのです。シロガネは千年前の戦いで強敵だった百鬼丸を倒すため、仲間の制止も振り切って強大な邪気のこもった「闇狼の面」を使ってしまいました。
その結果、百鬼丸は倒すことができましたが、シロガネ自身は闇狼の面に取り込まれて狼鬼となってしまいます。仲間であるシロガネごと狼鬼を倒すことができなかった過去のガオレンジャーたちは、封印という方法を取らざるを得なかったのでした。
しかし、たび重なる戦いのなか、狼鬼の面を割ってシロガネと分離することに成功するガオレンジャー。救出されたシロガネはガオレンジャー6人目の戦士、ガオシルバー/大神月麿(おおがみ・つくまろ)として正義側の戦士に復帰します。
一方、狼鬼は邪気の力もあって復活を果たして巨大化、ガオキングストライカーとガオハンタージャスティスによって倒され、砂のように粉々になって消滅しました。敵が味方になるというパターンは過去にもありましたが、「最初はまったく違う敵」というのは初めての試みになります。
作中で劇的な見せ場があった狼鬼は、いくつかの影響を残しました。そのひとつが搭乗していたガオハンター。当時、発売されたオモチャは物語の展開に合わせて前期バージョンと後期バージョンがありました。前期が「魔獣合体ガオハンター」、後期が「百獣合体ガオハンター」。スーパー戦隊シリーズで敵側としてオモチャが出ることは異例でしたが、前期のころからセールスは好調で、ここからも当時の子供たちの狼鬼人気がわかります。
さらにこの事例から、次回作『忍風戦隊ハリケンジャー』では主人公とは別のライバル戦隊が考案され、「電光石火ゴウライジャー」が誕生しました。
このように、当時の子供にとって狼鬼はまぎれもなく善悪を超えたカッコいいキャラのひとりでした。おそらく、同作の放送当時あたりからキラキラネームが話題になっていたと思いますが、「ろうき」という名前は他にいないのではないでしょうか? そういう意味では唯一無二な感じで良い名前だと感じます。これからも佐々木投手の活躍から目が離せません。
(加々美利治)



