球界を席巻する佐々木投手、名前の由来は特撮から 強くて大人気の敵キャラだった?
ロッテ入団3年目にして、開幕ローテーションに入って活躍を見せた佐々木朗希投手。その名前は生まれた当時、子供たちの間で大人気だったTV特撮ヒーロー番組のキャラクターに由来するそうです。そのキャラについて解説しましょう。
敵ながら子供たちに大人気だった「ロウキ」とは?

プロ野球シーズンが始まって早々、28年ぶり史上16人目16度目、しかも史上最年少で完全試合を達成した千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手。その活躍は誰もが称賛しました。そして、その佐々木投手の名前の由来になった、とあるキャラクターにも注目が集まります。
佐々木投手の「朗希(ろうき)」は、『百獣戦隊ガオレンジャー』に登場したライバルキャラの「狼鬼(ろうき)」に由来するもの。何でも3歳年上の実のお兄さんのアイデアだそうで、佐々木投手の生まれた年(2001年)に放送されたスーパー戦隊ですから、影響が強かったのでしょう。
この『百獣戦隊ガオレンジャー』という作品も、実はスーパー戦隊シリーズ全体から見てもエポックメイキングな作品でした。スーパー戦隊25作目であり、21世紀初の作品ということで、スタッフの力の入り方も違ったのかもしれません。
その結果、作品はシリーズとして数年ぶりの大ヒットを記録、日曜の朝としては異例の2ケタの視聴率をたたき出し、時間帯での視聴率最高記録を20年ぶりに塗り替えたそうです。オモチャのセールスも好評で、それまでの合体ロボをスターターとして、小型メカをブースターという形で毎月小出しに販売する……という戦略を成功させました。
作品の内容は、「オルグ」と呼ばれる邪悪な鬼の一族が復活し、それに対して大地の精霊パワーアニマルに選ばれた戦士ガオレンジャーが戦うという、シンプルな勧善懲悪の作品です。しかし、単なる子供向けというだけでなく、作品の内容には大人の鑑賞にも耐えうる深い物語がありました。そのひとつが、狼鬼に関する物語だったのです。
狼鬼の登場はQuest 16。ストーリー展開では、最初の大幹部を倒し、ガオレンジャーの勢いも向かうところ敵なし……という雰囲気でした。狼鬼は千年前に過去のガオレンジャーに封印され、その遺恨から現代のガオレンジャーに戦いを挑んできます。その性格は寡黙でクール。一匹狼気質で、他者の力を借りずに自分の力だけで事を成そうとします。
その矜持(きょうじ)に違わぬ実力の持ち主で、たったひとりでガオレンジャーの5人を圧倒するほどの力を見せつけました。さらに狼鬼には他のオルグにはない能力もあったのです。それが、パワーアニマルの宝珠を奪い、自分の手下となる魔獣に変える能力でした。
初登場時にはガオウルフ、ガオハンマーヘッド、ガオリゲーターをすでに配下に収め、戦いのなかでガオレンジャーたちの持つ宝珠を次々に奪い取り、それらを自分の戦力としていきます。こうして仲間を奪われたガオレンジャーたちの、心と戦力を削っていきました。