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『帰ってきたウルトラマン』郷秀樹の功績 「カッコいい」だけじゃなかった?

ウルトラ作品どうしの「世界観」をつなぎ合わせた

 第10話「決戦!エース対郷秀樹」が収録された、「DVDウルトラマンA Vol.3」(DIGITAL ULTRA PROJECT)
第10話「決戦!エース対郷秀樹」が収録された、「DVDウルトラマンA Vol.3」(DIGITAL ULTRA PROJECT)

 それまでのウルトラシリーズ作品では、前作との接点は皆無に等しく、何となく同じ世界かもしれない……程度のつながりでした。これが『帰ってきたウルトラマン』でウルトラセブンが登場し、その後に初代ウルトラマンも登場、この時に変身前のハヤタとモロボシ・ダンが当時の隊員服姿を見せたことで、ウルトラシリーズの世界観はひとつとなります。

 この他にも、セリフからバルタン星人やゼットン、初代ウルトラマンという言葉が出て、世界観が同一になったことが確定しました。そして、書籍だけだったウルトラ兄弟の設定が本編にも導入され、以降のウルトラシリーズは基本的に地続きとなります。ここに最近は「マルチバース」という概念が加わり、ウルトラシリーズは並行世界の地球も加えたひとつの世界観を共有しました。

 話を戻しましょう。『ウルトラマンA』10話で登場した偽物の郷の登場でTAC以前にMATが存在していたことがセリフからわかります。つまり本当にMATは解散したのでしょう。

 さらに特筆するべき点は、『帰ってきたウルトラマン』でレギュラーだった次郎と村野ルミ子が出演したことです。これにより『帰ってきた』と『A』が同じ世界観にあったことを決定的になりました。ちなみに近年のマルチバースな世界観では珍しくありませんが、前作の非戦闘キャラの登場は初めてであり異例です。以降もあまり例がありません。

 また郷は偽物でしたが、演じる団さんは本物。その後、『ウルトラマンタロウ』第52話「ウルトラの命を盗め!」、『ウルトラマンレオ』第34話「ウルトラ兄弟永遠の誓い」でも単独出演していることから、第2期ウルトラシリーズ皆勤賞となっています。さらに団さんの役者としてのシリーズ連続出演の4回は、『ウルトラQ』から『A』まで連続5回出演の小林昭二さんに続く記録でした。

 ウルトラマンとしてのゲスト出演はゾフィーやセブンにおよびませんが、単独出演すると必ず見せ場となる戦闘シーンがある……という点において、「新マン」が登場した時のインパクトは絶大だったと思います。もっとも、『タロウ』ではカラータイマーを奪われてシオシオになったり、『レオ』では猿ぐつわのようなマスクをはめられたりと、散々な目にもあっていました。

 第2期ウルトラシリーズの最初の作品として役割を果たした後も、後続の作品でも存在感を示した「新マン」と郷秀樹。色々と不遇な扱いを受けることもありましたが、子供の頃の筆者の心に残るヒーローでした。特に団さんがその後に演じた他の作品のキャラも、みんなダンディでカッコよかった印象があります。

(加々美利治)

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