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読者を魅了する、中年スキンヘッドキャラたち 「重要な脇役」をつとめるケースが多い?

見た目も個性的でかっこいい脇役たち

若き日の男塾塾長・江田島平八が表紙に描かれた『真!!男塾』1巻(日本文芸社)
若き日の男塾塾長・江田島平八が表紙に描かれた『真!!男塾』1巻(日本文芸社)

●『魁!!男塾』の江田島平八

『魁!!男塾』(著:宮下あきら)に登場する江田島平八(えだじま・へいはち)は、札つきの不良少年たちを集め、一人前に育てる私塾「男塾」の塾長です。トレードマークのスキンヘッドと口ひげ、筋肉隆々の体躯、そして「ワシが男塾塾長、江田島平八である!」という決め台詞、どれをとっても忘れがたい魅力と言えるでしょう。

 東京帝大に11歳で入学し、最年少にもかかわらず最優秀の成績で卒業した天才で、中曽根康弘元首相とは同期で「なかちゃん」と呼ぶ仲。さらに海軍で将官として活躍し、アメリカ大統領に「EDAJIMAがあと10人いたらアメリカは敗北していただろう」と恐れられた逸話もあり、本編でも身ひとつで宇宙遊泳して生還するなど、豪快すぎて人間離れした伝説が数多くあります。

 そんな江田島のスキンヘッドは、実は年齢によるものではありませんでした。三億円事件やベトナム戦争などにも関係がある魔石を割ってこの世から葬るために、江田島は極限まで精神集中をした結果、髪の毛を失ってしまったというのです。彼にとってのスキンヘッドは、刃物や岩も物ともしない強力な武器であるとともに、その心の強さと義理人情の厚さの象徴でもあります。

●『宇宙戦艦ヤマト』の佐渡酒造

 TVアニメ『宇宙戦艦ヤマト』(原作: 西崎義展、山本暎一(企画原案))は、1974年に讀賣テレビ放送・日本テレビ放送網で放送され、それと並行して「冒険王」(秋田書店)でマンガ(作画:松本零士)も連載されました。そんな同作で、ガミラス帝国から地球を守り、地球を再生させるため、命を懸けた危険な旅に出る宇宙戦艦「ヤマト」に軍医として乗り込んだのが、佐渡酒造(さど・さけぞう)です。

 名前のとおり酒好きで酒瓶を離さない佐渡先生はヤマト搭乗時で50歳目前なので、お年頃ゆえのナチュラルなスキンヘッド(後頭部に少し毛が残ってるので厳密な意味では違いますが)ではないかと考えられます。同じく年齢的なスキンヘッドのヤマト搭乗員といえば、機関長の徳川彦左衛門(とくがわ・ひこざえもん)がいて、その容貌に年長者の貫禄や頼りがいを感じますが、佐渡先生の頭は親しみやすさや愉快な印象を与えていました。

 佐渡先生といえば、ちゃぶ台を置いた畳敷きの和室に住み、愛猫のミーくんをかわいがり、助手であるロボットのアナライザーとは漫才コンビのような息の合った掛け合いをするなど、作中では「笑い」「ほのぼの」担当のキャラクターです。しかしその一方で、血気盛んな戦闘班長の古代進(こだい・すすむ)に、「百里の道を行くときは、九十九里をもって半ばとせよ」と、気を引き締めさせる名言も残しています。

 そんな佐渡先生の名場面といえば、沖田十三(おきた・じゅうぞう)艦長が地球を帰還目前に息を引き取った(のちに復活……)際の敬礼シーンです。いつもとは違う引き締まった表情といつもと変わらないスキンヘッドのつるんとしたフォルムの対比が、かえって悲しみや哀愁を強く印象づけたのではないかと考えます。

(山田晃子)

【画像】まだまだたくさん!かっこいいスキンヘッド中年たち(7枚)

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