40年前の夏、再放送されていたアニメがスゴかった 「配信」なくても楽しかった?
今から40年前の1982年の8月は、普段からお茶の間を楽しませていたアニメだけでなく、夏休みを過ごす子供たちのためにさまざまな番組が特別枠で放送されていました。果たしてあのころ子供だった私たちは、どんな作品に夢中になっていたのでしょうか?
一見してわかる再放送の多さ
今から40年前に当たる1982年という時代は、まだインターネットもなければ家庭用ビデオデッキもほとんど普及していない時代でした。TVは家に1台しかない家庭も多く、目当てのアニメや特撮を見るためには兄弟姉妹とのチャンネル争いに勝たなければいけなかった……そんな思い出を持つ方も多いのではないでしょうか。
父親が家にいるときはそもそもチャンネル権が無く、好きなアニメを見られずに悔しい思いをしていた方も多いことでしょう。果たして、当時の私たちはどのようなアニメや特撮を見ようとしていたのでしょうか。新聞のTV欄から、当時放送されていた作品を振り返っていきましょう。なお、今回紹介する番組の放送チャンネルや放送時間はすべて関東圏に準拠したものとなります。ご了承ください。
まず一見して現代とは違うと思わされるのが、「再放送」の多さです。NHKでは主に17時半から『ニルスの不思議な旅』が放送されていましたが、高校野球の開催と重なるタイミングでは18時放送に変更されています。
日本テレビでは平日の17時から『トムとジェリー』が放送されています。番組欄には再放送を示す(再)の文字が入っていないため、日本テレビでの放送は初めてのようですが、他局では以前から放送されていたため、おそらくこの時点で当時の子供たちは何度もトムとジェリーが仲良く喧嘩する光景を眺めて楽しんでいたのではないでしょうか。17時半からは鉄板の人気作品である『巨人の星』が流れているため、それまで外で遊んでいた男の子たちが家に戻り、星飛雄馬の悪戦苦闘に声援を送りながら、TVの前で晩ごはんができるのを待っていたと思われます。
この時期、TBSはアニメにあまり力を入れていないのですが、それでも土曜日の朝7時からは、ウルトラシリーズ初のTVアニメ『ザ・ウルトラマン』を再放送しています。ただ、この時期はまだ週休2日制になっていないため、大人は会社が、子供には学校がありました。7時からの30分、じっくりアニメを見られた人は幸運だったのではないでしょうか。