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商才スゴ過ぎ! コーエー襟川恵子会長の伝説3選 『信長の野望』誕生秘話も…

9月23日は、世界初の乙女ゲーム『アンジェリーク』が発売された記念日です。それを生み出したのは、コーエーテクモホールディングス会長の襟川恵子さん。『信長の野望』や『三國志』の生みの親として知られる襟川陽一さんの奥様でもある恵子さんの慧眼ぶりを紹介します。

本日9月23日は「乙女ゲーム」誕生記念日!

『信長』シリーズ最新作となる『信長の野望・新生』 パッケージイラスト:日田慶治 (C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.
『信長』シリーズ最新作となる『信長の野望・新生』 パッケージイラスト:日田慶治 (C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.

 28年前の本日9月23日、ゲーム業界に新たなジャンル「乙女ゲーム」を打ち立てることになる『アンジェリーク』がスーパーファミコンで発売されました。

『アンジェリーク』は「天界の女王」の候補に選ばれた女の子・アンジェリークが、美男子ぞろいな9人の守護星と仲を深めたり、ライバルのロザリアと切磋琢磨したりしながら女王の座を目指す女性向け恋愛シミュレーションゲームです。

 その生みの親は、コーエーテクモホールディングスの会長として辣腕(らつわん)を振るう襟川恵子さんです。シブサワ・コウ名義で歴史シミュレーションゲーム『信長の野望』や『三國志』を生み出してきた同社の代表取締役会長兼CEO、襟川陽一さんのパートナーでもある恵子さんは、ご本人こそがまさに「天界の女王」といえるほどの辣腕、慧眼の持ち主として知られています。その一端を紹介しましょう。

●『信長の野望』大ヒットの立役者!

『信長の野望』シリーズの記念すべき第1作は、1983年に光栄マイコンシステム(現・コーエーテクモゲームス)からPCゲームとして発売されました。ところが、リリース直後はなかなか売れず、しかもPCに強い一部のユーザーたちによってコピーされたものまで出回ってしまったそうです。

 しかし不幸中の幸いとでもいうべきか、多くのユーザーが触れたことでゲームの面白さが正しく評価され、じわじわと売れるようになっていきました。

 そして1986年、PCで大ヒットを記録していたシリーズ2作目『信長の野望・全国版』がファミコンでも発売されることになりました。ファミコン版発売にあたり、恵子さんは問屋を招待して他社のファミコンソフトよりも高い価格を提示したプレゼンを決行。さらに、半金前払いを頑として譲りませんでした。

 これは「夫が精魂込めて作ったゲームを安売りはできない」という信念によるもので、「この方針に納得してくれるところが一社でもあるなら取引してほしい」と訴えたところ、最初の一社が出たことで他の問屋も追随。そうしてリリースされたファミコンソフト『信長の野望・全国版』は他社ソフトよりも高い価格設定ながら、PC版同様のヒット作となります。

 恵子さんがこうした戦略を取ったのはこの時が初めてではなく、PCでシリーズを展開したときから行っていたことですが、後年「ファミコンでのリリースが大きな転機になった」と語っています。

【画像】誕生秘話がアツい! 多彩な展開を続ける『アンジェリーク』シリーズ(6枚)

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