『スラムダンク』もし三井じゃなく、水戸洋平が5人目の選手だったら? 作者裏話から考察
「水戸洋平の女」がさらに増えていた?

また、試合に限らず、練習のシーンでも、花道は敵味方関係なくケンカをするシーンがありました。そんな場面では、洋平は他の桜木軍団と指をさして笑っていましたが、もしチームメイトだった場合は、不要なケンカを避けるために笑って仲介に入り事態を収める、というようなシーンも出てきそうです。実際、バスケ部と三井軍団との暴力沙汰が起きた際も、洋平が機転を利かせ、「やっちまいました、バスケ部も三井君も!」と、桜木軍団や堀田が悪いことにして、不祥事になるところを救っています。優しい木暮先輩だと、どうしようと困ってしまいそうなシーンでも、「まあまあそう熱くならずに」という風に、物腰柔らかながら、どこか怖い雰囲気を出して鎮めてくれそうです。
また、花道が迷ったときには、洋平が飴のように元気づけてくれそうな気がします。そうすると、いきなり後ろから蹴飛ばして花道に静かに喝を入れる流川のムチがより引き立つ構図ができあがり、これはこれで面白いのではないでしょうか。また、『SLAM DUNK』のなかでもイケメンキャラと言われる部類の水戸洋平が試合で活躍し、汗で前髪が降りてきた姿などが描かれようものなら、多くの女性を虜にしてしまいそうです。実際、映画化が発表された際も、「水戸洋平の女」というワードがニュースになるくらいの女性人気を誇ります。試合展開によっては、流川軍団vs水戸軍団の応援バトルが観客席で繰り広げられる……というような場外乱闘展開も起こりうるのではないでしょうか?
また、洋平がレギュラーになったとしても、最後にバスケ部に加入した素人なので、三井と同じように試合の最後までスタミナがもたず、交代で入った木暮が伏兵で活躍……という展開も描きやすそうです。もしかしたら、木暮や、安田、角田らベンチメンバーの活躍シーンも、もっと増えていたかもしれません。
井上先生の当初の考え通り、湘北高校の5人目が水戸洋平だったなら、こんな場面が描かれていた(?)可能性があります。中学MVP・三井寿が再びバスケットの世界に舞い戻り活躍する現状のストーリーも素晴らしいですが、このような「IFストーリー」を妄想しても楽しいとは、さすが名作『SLAM DUNK』です。12月公開の映画で、少しでも水戸洋平の姿を拝める時間が長いことを期待しましょう。
(弁天寿)