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大物監督たちの若き日の「才能」に驚く 傑作平成アニメ映画10選(前編)

オタク文化が最初に到達した「エヴァ」の衝撃

 テレビシリーズの第25話にあたる「air」ではゼーレが送り込んだエヴァ量産機によって、アスカの左目が潰されることに。第26話「まごころを、君に」ではついにサードインパクトが始まり、人類補完計画が完遂されれば、人類はひとつとなり、人間はもう孤独に悩むことがなくなるはずでした。

 しかし、それまでずっと現実を直視することができずにいたシンジは、孤独と引き換えにひとりの個ではなくなってしまうことを拒否。人類が滅亡した終末世界で、旧約聖書に描かれたアダムとイヴを思わせる新しい物語が始まる……というシーンで幕を降ろします。

 世紀末思想、そしてオタク文化の集大成として盛り上がった『エヴァ』シリーズ。2007年からは『エヴァンゲリヲン新劇場版』4部作が新たに始まります。旧約聖書と新約聖書のように、「エヴァ」もまた市民権を得たオタク民たちのバイブルとして長く受け継がれていくことになるのでした。

●バーチャルの世界で花開いた才能『劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』(2000年)

『おおかみこどもの雨と雪』(12年)や『バケモノの子』(15年)のヒットメーカーとして知られる細田守監督が、東映動画(現・東映アニメーション)時代に残した代表作。上映時間40分の中編作品とは思えないほどの情報量が詰め込まれています。

 仮想現実という本作の設定に、細田監督は自身の結婚体験を元にしたエピソードを織り交ぜることで『サマーウォーズ』(09年)としてセルフリメイクしてみせます。ジェームズ・キャメロン監督のSF大作『アバター』(09年)より、かなり早くからバーチャルの世界を題材にしています。

 また、大林宣彦監督の実写版のイメージが強かった『時をかける少女』を躍動感たっぷりな青春アニメとして、2006年に再生。時代を読むセンスに加え、さまざまな情報を自分の中に取り込み、血肉化して再構成してみせる能力に細田監督は優れているようです。

『ぼくらのウォーゲーム!』で才能を認められた細田監督は、スタジオジブリに出向して『ハウルの動く城』の監督を任されるも、途中降板という憂き目に。苦い経験をバネにして、今では”ポスト宮崎駿”と呼ばれるポジションを獲得しています。

【画像】未来を見通していた? 平成前半の名作アニメ映画(5枚)

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