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ヒーローがクズな異色ドラマ『ザ・ボーイズ』 米国で大ヒットの理由とは?

笑える展開や楽曲、衣装などエンターテイメント性も十分

スーパーヒーローを成敗していく自警団「ザ・ボーイズ」のメンバー (C)Amazon Studios
スーパーヒーローを成敗していく自警団「ザ・ボーイズ」のメンバー (C)Amazon Studios

『ザ・ボーイズ』は、ブラックでダークな作品ではありますが、過去のスーパーヒーロー作品と同様に、エンターテイメント要素も盛り込まれています。戦闘シーンや、人間同士の葛藤など魅力的なシーンも多く、多くの要素を取り入れながらも軸をぶらさずに作り上げています。

 まず、ヒーローたちと相対する主人公たちがなかなか面白いのです。恋人をヒーローに殺されてしまう電気屋のアルバイトと、元FBIのフリーランス、銃の密輸人、非行少年たちの保護・更生人。ヒーローとはほど遠い男4人ですが、ドラマの回を追うごとに彼らの人間性をしっかりと感じることができます。アウトローでありながら仲間や家族を思うシーンなどはカッコよく、巨大な相手にも臆せず泥臭く向かっていく姿は最高です。

 さらに彼らがいることでの笑いも多く、日常会話などでもブラックジョークや、タブーにさらっと触れるといったポイントも散りばめられており、単に暗い作品ではないブラックコメディの側面も持っています。

 作中で多く使われる音楽もこの魅力のひとつ。大胆にヒット曲を起用しており、ザ・クラッシュの「ロンドン・コーリング」、ザ・ランナウェイズの「チェリー・ボンブ」、スパイス・ガールズの「ワナビー」など、馴染みのある楽曲を素晴らしいタイミングで差し込んでくるセンスは音楽映画としても評価できそうです。

 また、ドラマで使われるコスチュームに関しては、「B級ヒーロー映画」感は全くありません。それもそのはず、『ザ・ボーイズ』でコスチュームデザインを担当しているのは、アイアンマンやブレイドなどのマーベル作品に携わってきたローラ・ジーン・シャノンです。

「パロディ」という言葉では片づけられない正統派ヒーローの世界観を作り上げるために、キャラクターごとのストーリーと人間性をコスチュームデザインに反映させているという、クリエイターたちの「本気」が詰まっているのです。

 キャラクター、音楽、衣装の細部までオリジナルの世界観を作り、そこにチャレンジ精神も入れ込んで魅力的に仕上げたことは、かなりハードルの高い作業の連続だったに違いありません。現在、同作の「シーズン2」が撮影中であり、今後『ザ・ボーイズ』はMCU、DCEUに負けず劣らずの作品群になっていく可能性もあるかもしれません。

(大野なおと)

【画像】パロディを超えたヒーロードラマ、『ザ・ボーイズ』の登場人物(7枚)

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