アマプラで配信『ホームカミング』は今こそ見るべき! 広がるスパイダーマン世界の起点
2020年9月から、Amazonプライムビデオで『スパイダーマン:ホームカミング』の配信が始まりました。いま「スパイダーマン」はその世界観を大きく広げるスピンオフ作品が次々と発表されようとしており、同作は拡張するスパイダーマン世界の入り口として最適な作品なのです。
原作に忠実、親しみやすい「スパイダーマン」を描写
2020年9月からAmazonプライムビデオで配信が始まった『スパイダーマン:ホームカミング』は、数多くあるマーベル映画のなかでも、まだマーベルを知らない人へ「最初の1本」としておすすめしたい作品であり、今後展開される映画作品の始点となる重要作品でもあります。
『アベンジャーズ』などに代表されるマーベル映画は、マーベル・シネマティック・ユニバース(Marvel Cinematic Universe、以下MCU)という作品群に属していますが、この『スパイダーマン:ホームカミング』はそのMCUに属しながらも、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントが展開しているソニー・ユニバース・オブ・マーベルキャラクター(Sony’s Universe Of Marvel Characters、SUMC)という作品群の最初の作品としても作られています。
この『スパイダーマン:ホームカミング』を押さえておけば、今後のスパイダーマン関連の映画や、『ヴェノム』をはじめとしたスピンオフ作品をより楽しめることは間違いありません。
『スパイダーマン:ホームカミング』の公開は2017年。他のマーベル作品の主人公たちが成人であったのに対して、同作では15歳の少年「ピーター・パーカー」という設定になりました。学生であり、未成熟な人物が一人前のヒーローを目指す成長物語として、とても見やすくできています。
劇中では「アイアンマン」の登場も大きな要素です。スパイダーマンをアベンジャーズにスカウトし、ヒーローのあり方教える師匠という立場でアイアンマンは物語に関わってきます。父親のいないピーターとは親子のような関係性を見せていきますが、このつながりが同作のストーリーを面白くしていくポイントです。
巨大な機械の翼をもった悪役「ヴァルチャー」も注目すべきキャラクターです。ヴァルチャーはピーターの私生活にも恐怖を与え、ゾッとするような展開を見せてくれます。
「ヴァルチャー」ことエイドリアン・トゥームスを演じるマイケル・キートンは、初代バットマン役で有名な俳優。大きなマントを広げたバットマンが、スパイダーマン映画では鳥人間として襲い掛かってくるというのもファンがニヤリとする仕掛けです。
『スパイダーマン:ホームカミング』の最大の魅力は、原作スパイダーマンの、ポップで愚痴っぽいキャラを表現している点です。明るく、コミカルなシーンが多く、おしゃべりな姿が目立ちます。
原作コミックスでは冗談を言ったり、軽口を叩きながらニューヨークを舞台に飛び回り、悪と戦っていくのですが、この作品では見事に再現されています。“親愛なる隣人”という愛称のついたヒーローであることを感じさせる作品になっているのです。