【ボードゲーム人生相談】マンガを描いてばかりの娘。マジメに勉強をさせるには?
大切な前提は、「無条件の承認」

仕事は、〈CAN(できる)〉、〈WILL(したい)〉、〈MUST(しなければならない)〉の3つが重なったところに生まれます。このうち〈MUST〉は他人が決めることですので、自分ではコントロールできません。自分でできるのは、〈CAN〉と〈WILL〉です。これらが多いほど、それだけチャンスも広がります。
勉強ができるというのも確かに〈CAN〉に含まれますが、他にもっともっとできる人がいますね。しかし絵が上手いといえば、できる人がぐっと少なくなります。さらに〈WILL〉になると、絵を描くのが好きだという人はほんのひと握りになるでしょう。お嬢さんのマンガは、将来の仕事のチャンスを広げる意味でも尊いのです。
以上が、趣味をポジティブにとらえるための、自尊感情、複業、〈CAN〉〈WILL〉という3つの視点ですが、その大前提となるのが、何もしなくても親から、「あなたがいてくれるだけで私は嬉しい」「あなたがあなたらしくしてなければ家族は成り立たない」と承認することだと思います。
もしかするとお嬢さんは、「勉強しなさい」という言葉を「勉強しない人間は、うちの家族じゃない」と理解し、自分は価値のない人間であると思い込んで、マンガを描くことで何とか正気を保っているのかもしれません。勉強が大事だということは、親から言われなくても分かっていることです。
意図的に一緒に過ごす時間を作り、マンガを描くところや、いろいろな欠点も含めてお嬢さんを愛していることを伝えましょう。その愛情に気付いたとき、〈WILL〉はマンガばかりでなく勉強にも広がっていくのだと思います。
ボードゲームには、お絵描きをするものもたくさんあります。お嬢さんの画力を褒める格好の機会になるでしょう。上手下手を意識せず楽しむことが大切です。
◆『みんなでぽんこつペイント』(ホビージャパン)
お題を直線と正円だけで表現するお絵描きゲーム。少ない画数で当ててもらうことを目指しますが、少なすぎると何を描いているか分かりません。画力以上に、ひらめきが求められます。2人で協力して遊べるルールもあり。2~12人用、6歳以上、10分、2000円(税別)
(小野卓也)