ガンダム「一年戦争」を生き残ったハヤト・コバヤシ 実直な性格が悲惨な死を招いた?
戦後はフラゥ・ボウと結婚するも、カツの死に直面

負傷した際に看護に当たったフラウへアムロへの敗北感を語ったことから、ふたりは急速に親しくなっていき、出撃前に話し込む姿も見られました。
ア・バオア・クーの戦いでは歴戦の勇士としての技量を見せつけ、3機のリック・ドムに一斉掃射を浴びせてまとめて撃破しています。撃破描写は2機しか確認できませんが、直後に「次は?」と呟いていることから、目の前の敵はすべて撃破したと考えるのが妥当でしょう。最終的には擱座(かくざ)したホワイトベースを守ろうとした際にガンタンクを破壊されてしまいますが、最後まで冷静さを保ち続け、ザクIIを道連れにしています。
一年戦争を生き残ったハヤトは、その後フラウと結婚し、カツ・レツ・キッカの3人を養子に迎えます。『機動戦士Zガンダム』で再登場した際には戦争博物館の館長としての顔を持ちながら、密かに反ティターンズ組織であるカラバに参加。奪い取ったアウドムラの艦長となり、カミーユ・ビダンやクワトロ・バジーナたち地球に降下したエゥーゴのパイロットを宇宙に戻すために尽力しました。
フラウとの間に子供もひとりもうけましたが、『機動戦士ガンダムZZ』35話「落ちてきた空」でハヤトの運命は暗転します。ダブリンへのコロニー落としに対応するため動きだしたアーガマと合流したハヤトは、戦死したカツの部屋へ案内され大きなショックを受けます。このときアーガマには精神崩壊を起こしたカミーユも乗り込んでいましたが、コロニー落としの現場では多くの人が死ぬ可能性が高く、さらに大きなダメージを受けると懸念したファ・ユイリィやジュドー・アーシタはカミーユを下ろそうとします。
しかし使える航空機がないため、カミーユにカツの影を見たハヤトは自分が乗ってきた小型航空機を提供し、ドダイを使うことにしたのです。
コロニー落着までのわずかな時間で出来る限り多くの民間人を救おうとしたハヤトでしたが、ジュドーたちがZZガンダムに変形する時間を稼ぐためにドダイでラカン・ダカランのザクIIIと交戦して被弾、カツの声を聞きながら爆散、戦死を遂げました。
もしこのとき戦闘力のない小型航空機に搭乗していたら、ザクIIIと交戦することもなかったでしょう。己にできることを精一杯やり遂げようとした実直さが、ハヤトを戦死へと追い込んだのではないでしょうか。
(早川清一朗)



