【秋アニメ】『無限の住人』3度目の映像化。「今」だからこその表現は必見?
講談社「アフタヌーン」で連載された沙村広明氏によるマンガ『無限の住人』を原作としたアニメ『無限の住人 IMMORTAL』が、2019年10月10日より配信スタートしました。TVアニメ、実写映画に続く3度目の映像化は、ネット配信ならではの表現力を発揮していました。
「今」だからこそ表現できる作品。今こそ見るべき?
アニメ『無限の住人-IMMORTAL-』が2019年10月10日より配信開始しました。Amazonプライム・ビデオのオリジナル作品で、全世界同時独占配信となります。
原作は、沙村広明氏によるマンガ『無限の住人』。講談社「アフタヌーン」で、1993年6月から2012年12月まで連載されました。過去には、2008年から2009年にかけてTVアニメ化され、原作の連載終了後の2015年に三池崇史監督、木村拓哉主演で実写映画化されています。今回の『無限の住人-IMMORTAL-』では3度目の映像化です。
武士というものがまだ存在していた江戸の世で、「百人斬り」と呼ばれた不死身の男、万次(CV:津田健次郎)は、父を剣客集団「逸刀流(いっとうりゅう)」に殺害され復讐を誓う少女、凛(CV:佐倉綾音)と出会います。凛の用心棒となった万次は、逸刀流との壮絶な死闘を繰り広げられていくのです。
時代劇でありながら、登場する人物、武器、衣装、バトルシーンなどは時代劇にとらわれない表現で「ネオ時代劇」と呼ばれ、人気を博しています。3度目の映像化の背景には、もちろん同作の根強い人気がありますが、他にも考えられる要素があるのです。
まず、最初の映像化となったTVアニメは、地上波放送である以上「年齢制限」をかけるわけにいかず、原作で表現されていたエログロナンセンス的な描写は、やや抑えられてしまいます。実写映画では年齢制限をかけてはいますが、「PG12指定」で、やはりマイルドにはなってしまいます。もちろん、必要な配慮ではあるのですが、原作の再現度を期待するファンにとっては少し物足りなく感じる側面がありました。
しかし、今回の『無限の住人 IMMORTAL』は違います。「完全アニメ化」をうたっているだけあって、血生臭さや、痛々しさまで再現されています。冒頭で「本作品は成人視聴を対象としており一部過激な言語表現 暴力 性描写が含まれています 予めご了承の上 ご視聴ください」と、注意書きの字幕が流れます。原作ファンとしては、この注意書きによって、かえって期待が膨らんでしまうのではないでしょうか。
映像化が可能になった背景には、やはりインターネット上でのサブスクリプション視聴サービスの普及があるでしょう。個人が自己責任で見たいものを選ぶ時代になり、『無限の住人』という名作に時代が追いついたと言ってもよいかもしれません。躍動感ある殺陣シーンや、不死身ゆえに可能な人体切断描写も惜しみなく描かれています。
アニメ『無限の住人-IMMORTAL-』は闘いの描写だけにとどまらず、作画や音楽、声優陣にも非常に力が入った作品になっています。今、見るべき大人向けのアニメとして、オススメできる作品です。
(二木知宏)
※『無限の住人-IMMORTAL-』は、2019年10月24日(木)に「第四幕 斜凛ーしゃりんー」がAmazonプライム・ビデオで配信予定です。