『ガンダム』ホワイトベースで最もモテた?「ミライ・ヤシマ」 母性と有能さは唯一無二の存在
『機動戦士ガンダム』に登場したミライ・ヤシマは、ホワイトベースの若いクルーたちにとって、母親のような精神的支柱として慕われていました。戦後はブライト・ノアと結婚して二人の子宝にも恵まれ、続編の『機動戦士Zガンダム』にも登場しています。
ホワイトベースの「おふくろさん」
『機動戦士ガンダム』に搭乗したホワイトベースクルーのなかでも、ミライ・ヤシマは乗組員の母親のような存在として周りに慕われていました。ジオン軍の意図せぬサイド7への奇襲によりホワイトベースに乗り込み、生き延びるために戦わざるを得なくなった若者たちにとっての精神的な拠り所だったのです。「一年戦争」戦中から戦後までの、ミライ・ヤシマの活躍を振り返ります。
ミライの初登場は『機動戦士ガンダム』2話「ガンダム破壊命令」です。負傷兵の治療をしていましたが、パオロ艦長とブライト・ノアの会話でホワイトベースのパイロットがいないことを知り、「クルーザー級のスペースグライダーのライセンスが役に立つとは思いませんが」と名乗り出ました。
以降はホワイトベースの操艦を一手に引き受けることになり、理知的かつ温厚な言動で重責に悩むブライトの相談役を務め、突然戦場に放り込まれた他の若者たちを労わるなど、現場になくてはならない存在となっていったのです。
操舵手としてもめきめきと腕をあげていき、第19話「ランバ・ラル 特攻!」ではエンジンの噴射炎をザクIIに直撃させて撃墜し、ホワイトベース上に取り付いたグフを反転飛行で振り落とすなど、目覚ましい活躍を見せることもありました。
ブライトが倒れたときは臨時の指揮官に就任しましたが、当初は襲撃を受けたマチルダの救援を取りやめようとするなど、判断ミスが目立ちました。しかし黒い三連星の襲撃を受けた際には見事に防衛指揮をとっており、短時間で急速な成長を見せたことがうかがえます。
また、ニュータイプとしての素養なのかどうかは定かではありませんが、非常に感が良く、アムロの資質に早期に気づき、シャアの心理や行動を正確に予測しています。
そんなミライですが、実のところホワイトベース随一の恋多き女性でもありました。艦長と操舵手として絶えず近い場所にいたブライトとは徐々に親しくなり、最終的には結婚してハサウェイとチェーミン、ふたりの子供を設けています。
33話「コンスコン強襲」にはかつての婚約者カムラン・ブルームも登場し、熱烈なアプローチを受けますが、ミライ本人は婚約に乗り気ではなかったようで、はねつけていました。それでも命がけでホワイトベースを先導すると申し出たカムランの行為を最終的には受け入れました。
ジャブローからの参戦となったスレッガー・ロウ中尉からも好意を向けられています。ミライもまんざらではなかったようで、36話「恐怖! 機動ビグ・ザム」では補給と修理のために一時帰投したスレッガーから母親の形見と称する指輪を受け取り、最後にキスを交わしています。スレッガーが戦死したと聞かされた際にはアムロにすがり付き「嘘だって言えないのね、アムロ……」と嗚咽していました。