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アミバ様はなぜ愛されるのか 作中屈指のゲスは『北斗』人気を下支えする功労者?

ゲスな悪役なのに愛される理由とは?

アミバのセリフで広く知られるもののひとつ
アミバのセリフで広く知られるもののひとつ

『北斗の拳』の愛される悪役には、ケンシロウの好敵手だったパターンと、言動がゲスすぎて存在感を示したパターンの2種類があると考えられます。アミバは、間違いなく後者にあたることでしょう。

 アミバは、プライドの高さによる身勝手な理由から悪の道をひた走り、まったく悪びれずに非道のかぎりを尽くしました。そして最期の瞬間まで一瞬たりとも改心することなく、「うわらば」という、いかにも小物っぽい断末魔であっけなく散ったのは、逆の意味でインパクトがありました。

 最初から最後まで、ゲスな小物臭の漂う悪役を貫き通したアミバの生き様は、ある種のすがすがしさすら感じられます。そこまで突き抜けた存在だったからこそ憎めず、今も読者の心に残っているのかもしれません。

アミバの最期。このあと「うわらば」
アミバの最期。このあと「うわらば」

 そのアミバを主人公にしたスピンオフ作品『北斗の拳外伝 天才アミバの異世界覇王伝説』(コアミックス)が2023年9月現在、連載中です。ケンシロウに敗北して死亡したアミバが、異世界で目覚めるという異色の内容で話題を呼んでいます。

 同作の原作を担当している錦ソクラ氏にアミバについて聞いたところ、「アミバは常に自信満々ですが、実際は他人から認められたくて必死です。誰しもが持っている承認欲求と、見栄や虚勢や嫉妬などの人間臭い感情に溢れているところが、ファンから愛され続けている理由だと思います。『俺は天才だ〜!!』と豪語する姿は、特別な存在になりたくて必死に自分にそう言い聞かせている魂の叫びだと思うと、彼を愛さずにはいられないのです」とのことでした。

 昭和に完結したマンガのゲスすぎる悪役が、令和の時代にスピンオフ作品の主人公として活躍していることからも、傑作『北斗の拳』の人気ぶりとキャラクターの層の厚さを実感させられますね。

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 2023年9月20日(水)、『北斗の拳』40周年を記念しコアミックスより刊行が開始されたコミックス『新装版』の、第3巻と第4巻が発売されました。毎月20日に2冊ずつ発売される予定で、各巻の収録話は10年前に刊行された「究極版」と同じです。

 またコアミックスのマンガ配信サイト「WEBゼノン編集部」の『金曜ドラマ 北斗の拳』にて、その刊行にあわせ、第4巻までに収録されるアミバ編の見どころのひとつ、49話「悲劇の星の下に!の巻」と50話「仮面の裏!の巻」を、2023年9月20日(水)0時から同年10月4日(水)23時59分までの期間、無料で公開しています。

■WEBゼノン編集部『金曜ドラマ 北斗の拳』
https://comic-zenon.com/episode/3269754496537758766

(C)武論尊・原哲夫/コアミックス 1983

(大那イブキ)

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