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「格上のMS」を破った、ガンダムの「時代遅れ」機体たち ファンが大歓喜した活躍も?

ガンダムシリーズでは、優秀なパイロットが操る強力なMSが格下を蹂躙(じゅうりん)する展開が一般的です。しかしながらごくまれに、格下とされる機体が格上を撃破する展開も描かれました。作品の重要局面で行われる「大物喰い」エピソードを振り返ります。

格上を無力化、さらに「運命の出会い」も

高機動試作型ザクを相手に奮闘した先行量産型ボールを立体化した、「MG 1/100 RB-79K ボール 第08MS小隊版 (機動戦士ガンダム 第08MS小隊)」(BANDAI SPIRITS)
高機動試作型ザクを相手に奮闘した先行量産型ボールを立体化した、「MG 1/100 RB-79K ボール 第08MS小隊版 (機動戦士ガンダム 第08MS小隊)」(BANDAI SPIRITS)

●先行量産型ボール VS 宇宙用高機動試作型ザク(『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』)

『機動戦士ガンダム』本編ではやられ役として描写されていたボールが1対1でザクを撃破する展開が描かれたのが、OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の第1話です。アイナ・サハリン操るMS-06RD-4 高機動試作型ザクに追い詰められたテリー・サンダースの初期型ジムの救援信号を受け取ったシロー・アマダは、輸送艦の護衛用に搭載されていたRB-79K 先行量産型ボールに搭乗し、出撃します。

 MS-09Rリック・ドムの脚部熱核ロケットエンジン開発のための試作機である高機動試作型ザクの前に苦戦を強いられたシローですが、作業用のワイヤーとウインチを活用してザクをからめとって相打ちに持ち込み、救援任務に成功。アイナ・サハリンとの邂逅(かいこう)も果たし、ふたりの恋とアプサラスを巡る物語は幕を開けるのでした。

 それまでボールはザクに蹴り飛ばされ、ビグザムに焼かれるなど、典型的なやられ役としての描かれていましたが、このとき初めてパイロットの技量と戦術次第では敵モビルスーツを1対1で撃破することが可能であると証明されました。

 現在では被害は大きかったものの十分役立つ兵器としての描写がしばしば見られるようになり、特に『MS IGLOO -1年戦争秘録-』第3話では、オデッサ作戦の敗退により宇宙に脱出した多数のHLV(大気圏離脱艇)を6機のボールが一方的に蹂躙しており、ボールは使い方次第では恐るべき兵器になるという描写も見られます。

●ザクII改 VS ガンダムNT-1 アレックス(『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』)

 ザクによる相打ちの形にはなりますが、ガンダムが倒される展開が描かれたのが、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』最終話です。サイド6への核攻撃を止めるためにガンダムNT-1を撃破すると決めたバーナード・ワイズマン(以下、バーニィ)は、修理したMS-06FZ ザクII改に搭乗し、出撃します。ザクの出現に対し、地球連邦軍はクリスチーナ・マッケンジー(以下、クリス)がガンダムNT-1に搭乗し出撃しました。

 バーニィは圧倒的に格上の機体と戦うために、目くらましのトラップを仕掛けた森に誘い込み、ゲリラ戦に持ち込みました。隙を突いてヒートホークでNT-1の90mmガトリング砲の破壊に成功したバーニィですが、最後の一斉射がコクピット付近を貫通し、頭部を負傷してしまいます。しかしヒートホークの追撃によりNT-1の右脇を切り裂くことに成功し、クリスも右腕を負傷しました。

 核を搭載したジオンの艦艇が投降したことを知り、バーニィを止めるために命がけで駆け付けたアルの前で、両者は最後の力を振り絞り、手にした武器を叩きつけ合ったのです。

 ヒートホークはNT-1の頭部を切断し、戦闘不能に追い込みました。しかしNT-1のビーム・サーベルはザクの機関部を直撃し、ザク改は爆発、バーニィは戦死を遂げました。
 コロニー内ではビーム・ライフルが使えなか」ったとは言え、飛び道具を持つ推力に3倍の差があるNT-1を相手にヒートホークしか持たないザクで相打ちに持ち込んだバーニィは、偉業を果たしたと言えるのではないでしょうか。

【画像】「えっ…? 好きですけど」これが格上MSを倒した「ガンダムの旧世代機」です(8枚)

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