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旧作から時を経て評価が上がった「再アニメ化」作品 何がファンの心をつかんだのか?

再アニメ化された作品は、新作と旧作で人によって好みが分かれるものです。どちらも甲乙つけがたいものもあれば、新作のほうが特に高い評価を得た作品も存在します。称賛の声が相次いだ再アニメ化作品は、どの部分の評価が高かったのでしょうか。

旧作と比べて「画風」が変化しているのがポイント?

50年の時を経て再アニメ化された、TVアニメ『どろろ』Blu-ray BOX 上巻(バップ) (C)手塚プロダクション/ツインエンジン
50年の時を経て再アニメ化された、TVアニメ『どろろ』Blu-ray BOX 上巻(バップ) (C)手塚プロダクション/ツインエンジン

 かつて放送されたTVアニメ、あるいはOVAが、のちに再アニメ化されることは珍しくなくなりました。むしろ再アニメ化されることで脚光を浴び、旧作に劣らぬほどの評価を得た作品もあります。称賛の声が相次いだ再アニメ化作品は、どんな点が高評価につながったのでしょうか。

●『どろろ』

 マンガ界の巨匠である手塚治虫先生が手がけた未完の傑作『どろろ』は、1969年と2019年に2度TVアニメ化されています。

 同作は、妖怪に奪われた体の48箇所を取り戻すため、剣士である「百鬼丸」が、自称大泥棒の子供「どろろ」と一緒に妖怪を退治するという物語です。最初のアニメ化は、1969年(昭和44年)からの放送でした。TV映像は白黒の時代だったこともあり、モノクロ映像が妖怪の「おどろおどろしさ」を助長していたように感じます。

 時が流れ、最初のアニメ化から50年ほど経った2019年に、アニメーション制作として「MAPPA」と「手塚プロ」がタッグを組んで再アニメ化されました。

 登場キャラたちは、原作マンガや旧作アニメを知っていれば、ひと目でガラッと画風が変わっていることに気付くほどアレンジされています。また、「百鬼丸の奪われた体の箇所が減少」「百鬼丸は登場時に仮面を付けている」などの設定変更も行われました。

 最初のアニメ化から半世紀も経過していることから、1作目を知らない視聴者も多かったようですが、ネット上には「何となく69年版は怖さ重視な気がしていて、リメイク版を見てみたら、作画が良すぎて感動した」「重いシーンも多いけど、泣けるところもしっかりあって終始飽きなかった」など好評の声が目立ちました。

●『フルーツバスケット』

 1998年から2006年まで「花とゆめ」(白泉社)にて連載された『フルーツバスケット』(原作:高屋奈月)も、2度のアニメ化がされました。1作目は2001年、新作は2019年に放送が開始されました。

 主人公は、母親を亡くしてテントで暮らす女子高生の「本田透」です。家事の腕を買われて、同じ高校の「草摩由希」や「草摩夾」が住む家で暮らすことになります。透は、草摩家の「異性に抱きつかれると動物に変身してしまう」という秘密を知るのでした。

 2007年に「もっとも売れている少女マンガ」としてギネスブックに認定された原作は、アニメ1作目の放送中は連載が続いており、それが影響してか、旧作はアニメオリジナルのストーリーで展開されました。

 一方、2019年版は声優を一新し、画風もアレンジするなど大胆な変更がされました。さらに原作完結後だったこともあって、全体を通して原作に忠実な展開で2021年に物語の幕を閉じています。

 18年ぶりのアニメ化、さらに原作に沿ったラストだった2019年版『フルーツバスケット』には、「原作が大好きなファンとして最高の完成度だったし、原作への愛を感じられた」「評判が良いってだけで見始めたけど、最後まで心をわしづかみにされた」などの声があがっていました。

 2022年には、TVシリーズでは描かれなかったエピソードや、透と夾の後日譚などを映像化した劇場版『フルーツバスケット -prelude-』も公開されています。新作版から劇場版までをセットで楽しめること考えれば、見応えという意味では、旧作よりもボリューム感のある作品だといえるでしょう。

【知らん子ですね】え…これがファンから「なかったこと」にされている再アニメ化作品です(4枚)

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