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昔の冷遇からは信じられない? 日本アニメはどうやって社会的地位を高めてきたのか

ひとりひとりの「好き」と「義務感」が結実した

日本国内の映画興行収入記録歴代2位のスタジオジブリの代表作『千と千尋の神隠し』ポスタービジュアル (C)2001 Studio Ghibli・NDDTM
日本国内の映画興行収入記録歴代2位のスタジオジブリの代表作『千と千尋の神隠し』ポスタービジュアル (C)2001 Studio Ghibli・NDDTM

 しかしながら、1963年に日本初の本格的なTVアニメ『鉄腕アトム』が登場して以降、アニメの世界を支えてきたのは数多くのクリエイターが死力を尽くして生み出してきた作品群と、アニメを楽しんでいた一人ひとりのファンたちです。市場規模拡大という言葉は、結果論に過ぎません。

 特に1970年代に入ると、『海のトリトン』の女性ファンたちがアニメブームの先鞭をつけ、その後に続いた『宇宙戦艦ヤマト』と『機動戦士ガンダム』が強烈なアニメブームを巻き起こし、その影響は現在も続々と新作が作られる形で継続中です。

 1980年代前半にはTVアニメ『キャッツ・アイ』のオープニングテーマ「CAT’S EYE」や、劇場版『超時空要塞マクロス』の作中歌「愛、覚えていますか」が、ランキング形式の歌番組に登場するなど、それまで童謡扱いされ軽視されていたアニメソングも、徐々に受け入れられていきました。

 その後、ファミコンの台頭や、社会情勢もあり苦しい状況に置かれたこともあった日本のアニメですが、庵野秀明監督が手掛けた『新世紀エヴァンゲリオン』のヒットにより製作委員会方式が普及します。

 深夜帯のアニメも定着し、収入源もかつてのおもちゃやプラモデル、小道具を売る形からさまざまなグッズの版権収入およびDVDの販売などに変化して、今まではアニメに関係がなかった多くの業者も参入するようになりました。

 さらに、2001年に宮崎駿監督が手掛けた『千と千尋の神隠し』は、興行収入が316.8億円(リバイバル上映分含む)と、劇場アニメの価値を大いに押し上げます。『サマーウォーズ』の細田守監督や『君の名は』の新海誠監督など、才能あるクリエイターが劇場で次々と実績を上げるなか、ついに2020年になり劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』が興収400億円を突破し、歴史を塗り替えたのです。

 一人ひとりが作り、一人ひとりが劇場へ足を運び、一人ひとりが配信を眺める。

 外部の企業は宣伝し、イベントを開催し、グッズを企画する。

 ファンは好きなキャラクターを推し、グッズを購入し、SNSで愛を叫ぶ。

 そのひとつひとつの動きの結晶体が今のアニメの人気であり、誰かひとりの成果ではありません。世界レベルでアニメを盛り上げている一員であることを、クリエイターも、関係者も、ファンも誇りにしてもいいのではないのでしょうか。

※キャッツ・アイの「・」は、正しくはハートマークとなります。

※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記となります。

(早川清一朗)

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