『ガンダム』最大の謎「ミデア」! なぜフツーの輸送機が激戦地を2度も突破できた?
『ガンダム』の世界にリアリティを与えている要素のひとつに、補給をしっかりと描写している点が挙げられるでしょう。ところが、連邦軍の輸送を担うおなじみ「ミデア」は、考えれば考えるほど謎な点が浮かんでくるのです。
史上初の「補給」を重視したロボットアニメ、それを支えた「ミデア」の存在感

『機動戦士ガンダム』は、ロボットアニメ史上初の「補給」を重視した作品でしょう。どれだけ強力な人型兵器や戦艦であっても、弾薬や燃料に修理機材、クルーやパイロットの命を支える食料なくして戦えるわけがありません。
そうしたなか、最も異彩を放っていたのが大型輸送機の「ミデア」です。特に強力な武装を備えるわけでも、「ガンダム」と合体するわけでもないのに、第9話「翔べ!ガンダム」や第23話「マチルダ救出作戦」など、スポットの当たった回が複数あります。アムロに初めて「女性」を意識させた人「マチルダ中尉」とセットで、つまりそれだけ「補給」というものにドラマ性が乗っけられたわけです。
ミデアの各種スペックは、全高15.9m/全長45.0m/全幅67.7m、ペイロード(最大積載量)は160tで最高速度はマッハ0.82です。下部に着脱可能な輸送コンテナを抱える形状こそ特異ですが、ペイロードはサイズが近いC-5B輸送機(ロッキード・マーティン)の約122.5tを上回りつつも、世界最大だったAn-225「ムリヤ」(アントノフ)の約250tには及びません。さらに、「熱核ジェットエンジン」というヤバい動力を積んでいながら、スピードも輸送機としては「ふつう」です。
が、この恵まれない性能でジオンの勢力圏を2度も突破しています。どちらも出発地は南米のジャブロー(マチルダが命令を受けた現場にレビル将軍やエルランがいた)で、1度目は北米を、2度目は中央アジアを突っ切っていました。「ホワイトベース」であれば、大苦戦が5回か6回かけて描かれていてもおかしくない道のりです。
なぜ「普通オブ普通」であるミデアが、MS(モビルスーツ)やMA(モビルアーマー)など怪物たちがうろつく一年戦争で、これほどの神業を成し遂げられたのでしょうか。「宇宙世紀」を通しても指折りの謎といえます。



