待ってスキップしないで! 「特殊OP回」が盛り上がったアニメ3選
TVアニメにおいて、オープニングは作品の世界観を語るうえで欠かせない要素です。なかには映像を変えて視聴者を驚かせたり、笑いを取ったりする作品もありました。
能力通りの特殊OPがニクい!
昨今の動画配信サービスでは、TVアニメのオープニングをスキップできる便利な機能が備わっています。しかし、なかにはOPの映像を変化させる作品もあり、気軽に飛ばすと貴重な演出を見逃してしまうこともあるでしょう。
特殊なOPといえば、荒木飛呂彦先生の同題マンガが原作のTVアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズは外せません。本作は原作の第1部から第6部までがアニメ化され、効果音が加わったり、変化したりする独特なOPが流れます。そのなかでも、ファンを大いに沸かせたのが、第3部をアニメ化した『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』の第47話です。
第3部は主人公「空条承太郎」とその仲間たちが、精神エネルギーを具現化させる「スタンド」という特殊能力で、承太郎の血筋に因縁を持つ吸血鬼「DIO」と戦います。「エジプト編」に突入した25話以降のOPでは、承太郎たちのスタンドは描かれていたものの、最終決戦で判明するDIOのスタンドは本編に合わせて登場していませんでした。しかし、46話で承太郎の仲間「花京院典明」がDIOの時を止めるスタンド「ザ・ワールド」の能力を見破ると、次の47話のOPでザ・ワールドが登場したのです。
通常のOPでは、承太郎のスタンド「スタープラチナ」が拳を放って画面を割り、背後に現れたDIOとスタンド同士の殴り合いが描かれます。しかし、47話ではスタープラチナが画面にヒビを入れたところでDIOのザ・ワールドが時を止め、承太郎の正面にDIO自身が登場しました。そして、悠然と歩いて承太郎の背後に回り、時が再び動き出してからスタンド同士が殴り合うという演出が加わったのです。
このにくい演出には、ネット上で「DIOの強敵感をしっかり描かれていて、能力通りに9秒間時を止める演出に鳥肌」「特殊OPで驚いて寝てた親が起きるくらいの声出ちゃった」といった、賞賛と驚きの声があがっています。なお、これはOP映像を制作した「神風動画」のアイデアであり、この成功をきっかけに第4部や第5部でも特殊なOPが制作されました。
また、ストーリーに沿ってOPが変化する演出といえば、『僕だけがいない街』(原作:三部けい)も欠かせません。本作は、「ヤングエース」(KADOKAWA)で連載されていた同題マンガが原作で、タイムリープの能力を持つ主人公「藤沼悟」が、小学生時代まで戻り、過去に発生した連続誘拐殺人事件の真相を追う物語です。
第10話では、真犯人が事件を未然に防ぐ悟に疑念を抱き、ワナを仕掛けます。悟はワナに気付かず、車に閉じ込められたまま極寒の湖に沈められてしまい、生死不明のままその回は終わりました。そして迎えた第11話のOPでは、なんと悟の姿が消えていたのです。
本編が始まると、悟が生存していて15年間寝たきりだったこと、記憶喪失になっていること、そして連続誘拐殺人事件が未然に防がれたことが明らかになります。過去を変えた代償として、悟の15年間が失われたことを象徴するかのように、OPからも彼の姿が消された演出が施されていたのです。
この演出には、「演出はシンプルだけど、その分すべてが納得できる内容ですごい」「タイトルの意味を回収をするOP演出が最高すぎる」と絶賛の声が出ていました。なお、11話のOPは主人公がいなくなること以外にも細かい変化があるため、見比べてみると新たな発見があり、面白いかもしれません。