『ウルトラマンA』の呼称問題! すでに存在したヒーロー「ウルトラエース」って何者?
「怪傑透明ウルトラエース」って何者!?

その「ウルトラエース」は、胸にカラータイマーならぬ「A」のマークをあしらった正義のヒーローで、「マルサン」という玩具メーカーが展開した「怪傑透明ウルトラエース」なるオリジナルソフビシリーズの1体です。
「エース」は、ドイツの科学者「アインベック博士」が実験中に誤って「アルファー液」を体中に浴びたために変身したヒーローであり、マントを広げるとマッハ3で飛行でき、さらに頭からこれを被ると透明にもなれました。ちなみに特撮やアニメなどTV番組化はされていません。
スタンダードサイズとビッグサイズがラインナップされており、後者は目元が「ウルトラセブン」そっくりです。「頭のトサカ」「グレーと赤のボディ」といった点もおさえています。パッケージに「マルサンのウルトラ怪獣シリーズ」とあるように、約40種類の人形が販売され、そのなかには、どこかで見たっぽい怪獣もチラホラ姿がありました。これを見ると、逆に多方面からクレームがこなかったか気になってしまいます。ただし、「円谷プロ」とは決して不仲ではなかったように思います。
●プラモデルやソフビのパイオニア、マルサン!
「マルサン(商店)」は1923年、東京に設立されます。日本の「プラモデル」を商標登録した玩具、模型メーカーで、66年放送の『ウルトラQ』や『ウルトラマン』に登場した怪獣のソフビ人形で一世を風靡しました。
しかし68年、第一次怪獣ブームに陰りが見えた影響で倒産します。元社員が「ブルマァク」という会社を設立し「ウルトラ」シリーズの版権許諾先は同社へ移りました。翌69年に「マルサン」は再建され、そしてオリジナル商品として「ウルトラ怪獣シリーズ」を作り上げたわけです。そのなかに「怪傑透明ウルトラエース」がありました。
「ウルトラA」の商標について当時、マルサンが円谷プロへクレームを入れたとうわさされましたが、そのような事実はなかったといい、『ウルトラマンA』への改題は番組側が自主的に行ったとされています。そもそもソフビ販売の縁が深かったからか、マルサンはその後、「ウルトラ」シリーズなどの版権許諾を得て、従来のソフビより小さい「ミニソフビ」を商品化させています。
もしも52年前、番組が「ウルトラA」でスタートしていたら、そのあとも「ウルトラタロウ」、そして今の「ウルトラアーク」へと続いていたかもしれません。でも、耳なじみが良いとはいえ、やっぱり「ウルトラマン◯◯」という冠に格式を感じませんか。そしてその永く続くネーミングの陰には、「ウルトラエース」というスーパーヒーローが存在したのです。
(玉城夏)

