『がんばれいわ!!ロボコン』公開へ。特撮史で見逃せない、ロボコンの果たした役割とは
仮面ライダー復活のきっかけとなった『燃えろ!!ロボコン』

『燃えろ!!ロボコン』終了後に同枠で放送されたのが、平成仮面ライダーシリーズの第1作目『仮面ライダークウガ』(2000~2001年)です。仮面ライダーシリーズは第1作目から『仮面ライダーBLACK RX』(1989~1990年)まで、在阪準キー局の毎日放送で製作されていました。しかし『クウガ』以降の仮面ライダーシリーズは現在まで、在京キー局のテレビ朝日が製作しています。
当時仮面ライダーの復活を模索していた東映の鈴木武幸氏は、平成ウルトラシリーズを放送していた土曜18時の放送枠を狙って、毎日放送との交渉を進めていました。しかし毎日放送側はウルトラシリーズの後番組をアニメ『ゾイド‐ZOID‐』(1999~2000年)に決定してしまいます。
『燃えろ!!ロボコン』は仮面ライダーと同じく石ノ森章太郎氏の原作です。その縁から『仮面ライダークウガ』は、『燃えろ!!ロボコン』の後番組としてテレビ朝日での製作に決定したのでした。元々この放送枠は『宇宙刑事ギャバン』から始まった「メタルヒーローシリーズ」の枠です。『燃えろ!!ロボコン』はメタルヒーローから平成ライダーへとバトンを受け渡した作品ともいえるでしょう。
現在も製作が続く仮面ライダーシリーズですが、中でも人気の高い作品のひとつが『仮面ライダー電王』(2007~2008年)です。ヒットの要因のひとつに、着ぐるみキャラクター「イマジン」の人気がありますが、イマジンたちのコミカルな描写は『ロボコン』の変形ともいえます。
『電王』には石田秀範監督のほか、脚本に惚れ込んだ坂本太郎監督も参加。着ぐるみキャラクターによるコメディー作品の演出経験が豊富な両名の参加は、イマジンたちのコミカルなやり取りを的確に演出し、その幅を広げました。
昭和・平成・令和と、3つの時代にわたって製作されることとなった『ロボコン』。石田秀範監督と浦沢義雄氏のタッグは『燃えろ!!ロボコン』以来、実に20年ぶりです。ロボコンはどのようなデザインになるのか、ガンツ先生はやはり野田圭一氏が続投するのかなど、まだ発表された情報が少ない分、『がんばれいわ!!ロボコン』への期待がふくらみます。
(森谷秀)