「意外と覚えていない」『人造人間キカイダー』の最終回 「こんな終わり方だっけ…」
石ノ森章太郎先生原作の名作特撮『人造人間キカイダー』の「実は覚えていない」最終回とは。
キカイダーの結末は?

故・石ノ森章太郎先生原作の実写特撮ヒーロー作品としては、『仮面ライダー』に次ぐ人気を誇る『人造人間キカイダー』。「不完全な良心回路」を持つロボットのジロー=キカイダーが、プロフェッサーギル率いる悪の秘密結社「ダーク」と戦う物語です。
特に終盤第37話「ジローの弟 強敵ハカイダー!」から登場したライバルキャラのハカイダーは、ダークヒーローとして鮮烈な印象を残し、作品自体も大きく盛り上がりました。そのハカイダーは、第42話「変身不能!? ハカイダー大反逆!」で、ダークが放った最後の刺客・白骨ムササビの急襲を受け、ジローの胸元で「俺はお前にやられたかったぜ、キカイダー」と倒れました。
そして最終回「ジローの最期か ダーク全滅か!?」に至るものの、ハカイダーの結末は記憶していても、肝心の最終回は意外と覚えている人が少ないのではないでしょうか。
最終3話はダークの基地とその周辺で物語が繰り広げられます。前段としては、第42話で倒されたハカイダーには、ジローの生みの親である光明寺博士の脳が移植されており、ジローは光明寺の娘のミツ子とその弟・マサルと共にハカイダーをダークの基地内にある手術室に運び込み、緊急移植手術を行うことに。そこへ現れる白骨ムササビと戦闘員のアンドロイドマン。この危機的なシチュエーションで第43話は幕を開けます。
ジローは自らが囮となって基地外へ逃亡し、白骨ムササビを引きつけるも変身回路が故障してキカイダーにはなれず、苦戦を強いられます。一方、ミツ子たちにもダークの手が迫るも、これは彼らの協力者の私立探偵・服部半平が煙に撒きます。その間にミツ子は光明寺博士への脳の移植手術を終えます。手術時間の短さに加え、医師でもなんでもないミツ子が執刀するのも違和感がありますが、そこは30分の子供番組です。
ちなみにマンガ版ではジローがプロフェッサーギルを人質に取って室内に籠城し、ダークの医師たちに移植手術を行わせる展開になっていました。
さて、TVシリーズに話を戻すと、手術を終えても意識を回復しない光明寺博士に、死んでしまったのかとショックを受けるミツ子でしたが、ミツ子が流した涙が博士の頬を伝い、目を覚ますというドラマティックな場面が用意され、親子はついに感動の再会を果たします。