最後まで頼む…「さあ、これからだ!」ってところで幕を閉じた「消化不良」アニメ
アニメのなかには「ここからが本番だったのに!」と、思うところで終わる作品も少なくありません。その後、中途半端なまま続編の音沙汰がなく、多くの視聴者から惜しまれている作品もあるようです。
「アニメ最終回から先が面白いのに…」と惜しまれた作品たち

人気のマンガやライトノベルをアニメ化したものの、原作の途中までしか描かれず、その後の音沙汰がない作品は少なくありません。アニメ化されていない先の展開に、さらなる見せ場を残したまま終わっている作品は、特に視聴者から続きの映像化を待ち望まれています。
たとえば、2020年にTVアニメが放送された『無能なナナ』(原作:るーすぼーい/作画:古屋庵)は、原作の序盤部分で終わり、物語の真相が描かれませんでした。同作は超能力を持たない主人公の少女「柊ナナ」が学園に派遣され、世界の脅威となる超能力者の同級生を極秘裏に抹殺していく物語です。
しかし、潜伏していた先輩「橘ジン」との出会いや同級生との交流から、ナナは自分が従っている軍部に疑念を持ちはじめます。そうして物語の核心に迫ろうとした矢先、大切な友人が瀕死のナナの身代わりに亡くなった場面で、アニメは終わりを迎えました。
その後の原作では心変わりしたナナが、今度は同級生と協力して黒幕と対決していきます。物語が転機を迎えるところでアニメは終わり、視聴者から「あそこで終わるのはもったいない」と続編が望まれる作品です。
同じく中途半端な終わり方をしながら、リメイク版アニメでしっかり完結したのが、『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』(監修:堀井雄二/原作:三条陸/作画:稲田浩司)です。同作は大人気ゲーム『ドラゴンクエスト』の設定をベースに、独自の世界観で主人公「ダイ」と仲間たちが、魔王「ハドラー」や大魔王「バーン」の率いる悪の軍団に立ち向かいます。
1991年から翌年にかけてTBS系列で放送された最初のアニメは人気を博しましたが、「竜騎将」の肩書を持つ魔王軍の幹部「バラン」との決着がつかないまま終わってしまい、長年にわたってリメイクを望む声がありました。
そして、30年のときを経てついに2020年から2022年にかけて再アニメ化されると、原作のラストとなるバーン戦まで描かれ、そのクオリティーが絶賛されました。ただ、原作には実際には描かれなかった幻の第2部「魔界編」もあり、いまも「魔界編」のアニメ化を期待する声もあがっています。
またTVアニメ『金色のガッシュベル!!』(原作:雷句誠)も原作の中途半端なところで終わったため、再アニメ化を期待されている作品です。魔界の本を手に入れた「高嶺清麿」が、魔物の子供「ガッシュ・ベル」とタッグを組み、魔界の王を決める戦いへと挑みます。
2003年から2006年にかけて描かれたTVシリーズは、「魔導巨兵ファウード」をめぐる「ファウード編」の途中でアニメオリジナルの展開に入ります。その後の流れは異なり、マンガでは魔界の王様が決まるところまで描かれましたが、アニメの場合、ライバルたちが残ったまま戦いの途中で終わってしまいました。そのためアニメでは、ガッシュが「優しい王様」になる目標を果たせたのかなど、原作の先で描かれる展開が分からないままです。
原作は2022年から『金色のガッシュ!!2』として再開し、ガッシュが死亡する衝撃の展開から始まる新たな戦いも描かれています。そうした原作の動きもあって、描写されていない結末を描いたリメイク作や、さらなる続編のアニメ化を強く望むファンも少なくありません。
(LUIS FIELD)