「編集ミスじゃないよね…?」『ウルトラマン』最終回の「矛盾ある」シーンのナゾ
なぜかカラータイマーが破壊されているナゾ

●カラータイマー破壊シーンがなければ不自然
科特隊がゼットンを倒したあと、「ゾフィー」と赤い球体での会話シーンがあります。ここで第2ミステリーです。なぜか、「ウルトラマンのカラータイマーが壊れていて、しかも両腕を広げています」。前の「あお向け」と明らかに違い、映像がつながっていません。
結論です。第2ミステリーの真相は、「ゼットンがカラータイマーを破壊するシーンを撮ったがお蔵入り」です。とにかく破壊シーンがなければ不自然過ぎます。
おそらく、「ウルトラマンの走馬灯シーン」のあと、ゼットンはとどめを刺すため、あお向けのウルトラマンを攻撃してカラータイマーを破壊したから両腕は広がった、そう考えるのが妥当でしょう。先ほどの「カラータイマー遂に、火を噴く」を撮らなかったのは、「最後に壊す」に変えたからです。現場での急な判断だったかもしれません。
この裏付けは、「撮影時点でカラータイマーを破壊するシーンは必要だった」はずだからです。でなければ、編集時に円谷一監督が「残酷だから、負けるけど死なない」と変更したエピソードが出てこないと思います。
高野監督は、ウルトラマンの最期をTV史に残るような衝撃的な演出にしようと、残酷なシーンも綿密に撮影したはずです。これはウルトラマンへの愛情だったでしょう。彼が絶命しても「ゾフィー」に救われる保険がかかっているので、子供たちには希望を与えて最終回を締めくくれる、そう思ったのかもしれません。
筆者の考察はここまでです。みなさんはどんな考察をしますか?
●新聞紙上で明かされていた最終回プラン
ところで、最終回の製作にあたり、サンケイ新聞等でストーリーのアイデア募集が行われていたことをご存じでしょうか。放送継続を望む声も含めてたくさんの投書が寄せられました。脚本の金城哲夫先生は、東京新聞1967年2月22日の記事「ウルトラマンの最期、こうしたら」で、こんなコメントをしています。
「子供たちの夢を壊したくないのだが、結局、ウルトラマンは、地球上ではもっともすごい怪獣と戦って死ななくてはならない。その場合、負け方に秘密があり、ウルトラマンの心臓部だった部分がやられるが、彼の体から電波が発し、光の国へ通報される。その通報を聞いて、ウルトラマンの仲間が、彼のもうひとつの生命を持ってやってきて……(以下、省略)」
この記事を読んだ子供から「ウルトラマンを殺さないで!」という声が殺到したため、撮影はかなり進んでいましたが、「ウルトラマンは負けるけど死なない」流れに変わったともいわれています。
(玉城夏)


