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『宇宙戦士バルディオス』衝撃の最終回「完」に絶句 悲劇の理由は打ち切り…

実はもっと早く終わる予定だった

『スーパーロボット大戦Z』(バンプレスト)
『スーパーロボット大戦Z』(バンプレスト)

 この衝撃を自分だけにとどめておくのはもったいない。そう考え、知人友人を集めて鑑賞会を開いたのですが、やはりみな、自分と同様に絶句していました。もし子供の頃にこんなものを見ていたら、強いショックを受けたのは間違いないでしょう。

 ただし、元からこのようなエンディングが予定されていたわけではなく、絶望の最終回をもたらしたのは、スポンサーの経営悪化による打ち切りという事情でした。それも、もっと早く終わるはずが、広告代理店の尽力により全39話中31話を放送できたという状況でした。TV放送された31話は本来32話として用意されていたもので、終わりらしい終わり方を迎えるために、やむをえず地球側敗北の形で「完」とするしかなかったのです。

 実際にはこのあとさらに話は続き、LD-BOXには完成しても放送できなかった本来の31話、33話、34話が収録されています。制作現場の執念が造り上げた作品なのでしょう。近年のCS放送での再放送では、これらの話もすべて放送されるようになっています。

 衝撃の最終回の後は、『バルディオス』を見ていたファンのなかから「最後まで放送してほしい」という運動が巻き起こります。この頃『機動戦士ガンダム』や『銀河鉄道999』『伝説巨神イデオン』などTVアニメが劇場化される事例が増えており、『バルディオス』も劇場化が決定します。しかし他のメジャータイトルと比較するとどうしても知名度の点で劣り、十分な興行収入をあげることはできず、『バルディオス』の歴史は終焉を迎えてしまうのです。

 その後、なぜかメインキャラではないS-1星の皇帝、トリノミアス三世がインターネット上でミーム化するなど、伝説の最終回の存在と合わせて細々と紡がれていた『バルディオス』の存在に再度脚光が当たったのは、2008年に発売された『スーパーロボット大戦Z』です。この作品では、『バルディオス』が無事に地球を救えるルートとなっており(救えないとゲームオーバー)、多くの参戦作品と同様、救済措置が取られています。マリンの声優を務めた、塩沢兼人氏は既に鬼籍に入られていますが、代役の山崎たくみ氏の熱演もあり、違和感はありません。

 この記事を書くにあたり久々にLD-BOXを引っ張り出してみましたが、そこかしこにマリンと、S-1星人側最高司令長官のアフロディアが仲睦まじくしている姿が描かれています。アニメのEDでも最後両者が手をつないで同じ方向に歩み出しており、当時制作にあたった方々は、本当はこういう最期を作りたかったのだろうかと、つい想いを馳せてしまいます。

(ライター 早川清一朗)

【画像】劇場版が制作されるも結果は?

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