「ダンスシーンが大人気に」 衝撃の「作画崩壊」で伝説になっちゃったアニメ
年々早くなっている新作アニメの制作ペースに、「時間かけてもいいから、とにかくクオリティを保持してほしい」と願う声も増えています。その背景には、これまで「あれ?」と首をかしげてしまう作画で放送されてしまった数々の作品がありました。
放送延期で改善が

深刻な人材不足やスケジュール、予算の限界によって起きてしまう、いわゆる「作画崩壊」は良くも悪くも作品が知られるきっかけにもなります。なかにはネットミーム化するだけでなく、原作に意外な影響を及ぼすケースも見られました。
●『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』
2021年に放送されたアニメ『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』は、作画に対する原作者の二丸修一先生のSNS投稿が大きな注目を集めました。
本作は同題のライトノベル作品を原作とする作品で、VTuberとしても活躍しているイラストレーターのしぐれういさんが手がけるイラストや、魅力的な女子キャラクターを理由に放送前から覇権アニメとの呼び声も高かった作品です。さらに制作を人気アニメ『【推しの子】』をはじめ、美麗な作画にも定評のある動画工房が担当することも、期待値を上げる要因でした。
第1話はキャラクターの造形や背景に若干の違和感はありつつも、大きな作画崩壊は見られませんでしたが、第3話「我、初恋復讐完了す」では、主人公「丸 末晴」が文化祭のステージでダンスバトルを繰り広げるはずが、カクカクとした奇妙なダンスが約2分間にわたって続くシーンになってしまいます。該当のシーンをもとに「おさまけダンス 踊ってみた」という再現動画も投稿され、「こうしてみるといかに作画崩壊だったか分かるな」といったコメントもついていました。
さらに作画崩壊が残した傷跡は深く、二丸先生は「アニメは1、2話を見て絶望し、1度は視聴を断念」「友達の支えにより3、4話を見たが、ギブアップ」とショックを露わにするだけでなく、放送後に最終巻の初版部数が作画崩壊のタイミングで減ったことを明かしています。作者自身も期待通りではなかった仕上がりだと知ったファンからは、同情の声も多数上がっていました。
●『ブルーロック』
独特なストーリー展開と個性豊かなキャラクターたちで、女性人気も高いサッカーマンガ『ブルーロック』(原作:金城宗幸/作画:ノ村優介)のアニメも、作画崩壊が話題となっています。
本作は、世界一のストライカーを育成する目的の「青い監獄プロジェクト(ブルーロックプロジェクト)」に参加した選手たちの過酷なバトルが見どころのひとつであり、音や動きが加わった試合シーンに期待の声も少なくありませんでじた。
2022年に放送された第1期では、キャラクターの顔が歪むなど多少の違和感あるシーンはあったものの、臨場感のある試合シーンはおおむねファンから好評を得ています。
一方、2024年に放送されたアニメ第2期は試合中のキックモーションやフェイントなどが静止画で表現され、あまりにも動きのない描写はファンから「紙芝居」「パワポ」にたとえられました。海外の視聴者からは静止画の組み合わせによって進行する試合シーンが再現され、思わぬ形で作品が注目されるきっかけとなったようです。
●『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦』
『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦』(通称『キミ戦』)も、第2期になって大幅に作画が崩壊してしまったことで注目を集めました。
細音啓先生による同題ライトノベルが原作の『キミ戦』は、100年にわたる戦争を続けてきた両国の英雄「イスカ」と「アリスリーゼ(通称:アリス)」が、お互いに惹かれながらも残酷な運命に翻弄されるストーリーです。2020年秋にアニメ第1期が、続く2024年夏に第2期が放送されたものの、第2話ではアリスの胸がイスカにめり込む、第3話ではアリスの指が6本になっているなどの場面が目立ち始めます。
その後、製作委員会からクオリティー維持のため第5話以降の放送が延期、時期を改めて放送が再開される見込みであること、さらに細音啓先生からも謝罪コメントが発表される異例の事態となりました。作品の公式SNSアカウントに対し、ファンからは「1期が良かっただけにとても残念だったので、楽しみに待ちたい」「正直作画が気になってストーリーが入ってこなかったから、この対応はありがたい」と温かい反応も寄せられています。
そして、2025年春からあらためて1話から放送された際は問題のシーンが大幅に修正されており、待った甲斐があったと喜びの声も多数出ていました。
(田中泉)

