『秒速5センチメートル』最高な米津とまさよしの神曲を両立←制作陣マジわかってる件
実写映画『秒速5センチメートル』の公開直前に、アニメ版主題歌で本作劇中歌である「One more time, One more chance」のリリックビデオが公開されました。そこにはどのような意図が込められているのでしょうか。
なぜ公開直前に米津じゃなくまさよし…?

「あれはまさよしのミュージックビデオ」
劇場アニメ『秒速5センチメートル』(以下「アニメ版」)をして、そのように評する声が聞かれます。決してネガティブな意味ではなく、むしろ本作と、山崎まさよしさんによる主題歌「One more time, One more chance」がピッタリすぎることを称賛するニュアンスで語られるものです。
一方、2025年10月10日に劇場公開された実写版『秒速5センチメートル』(以下「実写版」)の主題歌は米津玄師さんが担当すると発表されて以降、ご存じのようにネットやSNS上などさまざまな場で、実にさまざまな議論が交わされてきました。
とはいえ、当初よりおおむね「米津さんの楽曲ならまずハズレはなさそう」という共通認識はあったように見受けます。なかには「昨今は米津の曲じゃなきゃスポンサーが納得しないのか?」といった、やや皮肉めいた意見も見られたものの、ごく一部の過激なアニメ版ファンを除いては、ネガティブな反応はさほど多くなかった様子でした。
そうしたなかでも、やはり冒頭のような声は根強く聞かれ、「同題」といえど実写版は、アニメ版とは別の作品になってしまう、といった言説などが展開されてきたわけです。どう転んでも「やっぱまさよし」の声はあるであろうなか、「(米津さんに対し、褒め言葉のニュアンスで)よくこの仕事を受けたよね」といった声まで聞かれます。
とはいえ、そのあたりは制作陣やプロモーションスタッフもわかっている、というより、実に深く理解している節は見られました。「One more time, One more chance」が「劇中歌」として使用されるという情報はかなり早い段階でアナウンスされており、また、天門さんによるアニメ版劇伴のカバー曲を使用した特報映像も公開されています。言うなれば、プロモーションにおいてアニメ版へのリスペクトには欠かなかった、といった印象ではないでしょうか(個人の感想です)。
そして実写版公開直前の10月7日、公開前プロモーションの最後の追い込みというタイミングで公開されたのが、本作の劇中歌「One more time, One more chance」に本編映像をのせた、スペシャルリリックビデオでした。
ネット上などではやはり、「これこれ、これだよ」「やっぱまさよしじゃなきゃ」といった声も聞かれます。ただ、そうした声が上がるだろうことは容易に予測されるなか、このタイミングでこの動画は公開されたわけです。プロモーションの妙ということになるのかもしれませんが、つまりそれだけアニメ版および「One more time, One more chance」を尊重していることのあらわれ、と受け取る向きもあるのではないでしょうか。「だから安心して観に来てください」というわけです。
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そして劇場公開の初日を迎え、ネットやSNS上を眺める限りは、山崎まさよしさんの「劇中歌」、米津玄師さんの「主題歌」、ともに称賛の声であふれています。
ネタバレのない範囲で言及すると、「One more time, One more chance」については実にエモい場面で流れ、あれならアニメ版ファンもきっと納得なのではないでしょうか(個人の感想です)。
(マグミクス編集部)