「失い続けても歩みを止めない」片足のアラフィフ作家が贈る「異色ダンジョン小説」とは?【作者インタビュー】
右脚を失った「突然の事故」 乗り越えた「現実逃避能力」とは?
――良い友人を持てるのも、アスキーアートで作品を作り続けてきたからなんでしょうね。ところで、鋼我先生はいま作家以外にも仕事をされているのでしょうか?
鋼我 若い頃はバイトをしながら作家になろうとしていたんですが、全然書かないうちに20代半ばを迎えてしまい、就職することになったんです。でもそんなある日、出勤途中にバイク事故を起こして右脚を切断する羽目になりました。今は義足なんですよ。
――凄まじい事故だったんですね……。
鋼我 バイクのエンジンをかけて家から出た次の瞬間から、記憶が途切れてます。目覚めてから意識がぐにゃぐにゃしてるし、痛みも出てきて、そこで自分が事故にあったことに気付きました。そこからは障がい者雇用枠で地元企業にパートで入っている状態です。
――そのような状況から、どうやって立ち直ったんでしょうか。
鋼我 周りの人が滅茶苦茶へこんでいたんですよ。親は泣いてる、自分に車をぶつけた人も泣いてる、友人も落ち込んでる。こんな状況で自分がへこんだ顔を見せたら、死んじゃう人が出るかもしれないってレベルでした。それなら明るくなるしかないじゃないですか。落ち込んでても自分にプラスになることが何もないんです。
障がい者雇用で仕事もできるし、保険も出るし労災も出る。右脚は無くしましたけど義足を付ければ歩けるし、別にマイナスだとは感じませんでした。へこんだのは自転車に乗れなくなったことくらいかな?
――うまい言葉が出てきませんが、とにかく精神的にタフだとは感じます。
鋼我 創作に使う現実逃避能力を、自分に当てはめただけのような気がしますけどね(笑)。




