ド派手で危険、昭和特撮「狂気の必殺技」 映像は最高、子供が真似するのは「無理」?
とにかく見た目だけ。圧を感じる超必殺技

もうひとつの印象的な必殺技が『兄弟拳バイクロッサー』(1985年)の「ブレーザーカノン」です。とにかく見た目のインパクトが絶大でした。
この必殺技は「バイクロッサー・ギン」の乗ったバイク「ギンクロン」を「バイクロッサー・ケン」が肩に担ぎ、ギンクロンのヘッドライト部分からエネルギーを放射するというものです。オープニングでは「兄はすくっと大地に立って 弟マシンで宙に舞う」と歌っています。
等身大ヒーローは徒手空拳、剣や銃を使うといったさまざまなパターンがありました。このブレーザーカノンは大別すると「銃」にカテゴライズされますが、とにかく見た目のインパクトが強すぎて別物といえるでしょう。
バイクを変形させることなくひとりで担ぎ、あまつさえバイクに人が乗っているという絵面は、問答無用の圧を感じるものでした。この画面があるゆえにブレーザーカノンは印象的な必殺技になったといえるかもしれません。
この画面も合成ではなく、室内ではギンクロンを太い鉄棒で固定、これが映らないようカメラ位置を工夫して撮影されました。屋外ではクレーンも使われたようです。ギンクロンを担ぐところで足元から土煙が起こるなど、発射までのシークエンス演出も魅力的です。
こちらも当時の子供が自転車を担いでマネをしたと聞いたことがありました。もっとも自転車だけで、人が乗ったものを担いだという話は聞いたことはありません。危ないことならやってしまう子供もいたでしょうが、さすがに無理なことはできなかったのでしょう。
前述の流星ミサイルマイトもそうですが、実際に撮影されたド迫力な映像は、視聴者である子供に強烈な印象を与えるものです。昨今、CGなどで映像の進歩は飛躍的に上がりましたが、子供の心に響くド迫力な演出は「現場の制約」から生まれることもあると、このふたつの必殺技は教えてくれるようです。
(加々美利治)


