マグミクス | manga * anime * game

『機甲界ガリアン』真の主人公は“宿敵” 武器ギミックは『ダイの大冒険』に影響を?

OP、武器ギミック…『ガリアン』が後世のアニメに遺したもの

 結局、アズベスは18話でマーダルを討ち果たそうと単身で切り込むも果たせず、炎のなかで最期を遂げてしまいます。アズベスの死の後、中世ファンタジー風の世界観だった『ガリアン』は一気にSFの世界へと姿を変え、怒涛のように最終回へ向け突き進み、そのなかでマーダルの目的が惑星ランプレートを始めとする、沈滞した銀河高度文明に喝を入れることだと判明します。

 アーストから空間転移を行いランプレートへと帰還したマーダルは、ランプレートを破壊し、無気力なランプレート人の覚醒を促します。最終的にはジョジョたちの手によりマーダルの野望は砕かれるのですが、革命を起こして敗れ、力を蓄え故郷に凱旋し、志半ばで夢潰えた堂々たる生きざまは、ひとりの男の人生として至高の物であるように思えるのです。『ガリアン』という作品の存在意義はマーダルというキャラクターを産み落としたことにあるのではないかと、筆者は考えています。

 もちろん、『ガリアン』で語るものは、マーダル以外にも存在しています。特に「ガリアン」が手にする「ガリアン・ソード」は、創作物の歴史を語る上で決して外すことはできません。高橋監督が自転車のチェーンを見て発想したこの剣は、剣の刃を分割し、連結してムチのように敵に巻き付いて切り裂きます。このギミックがアニメやマンガ、映画に与えた影響は極めて大きく、「蛇腹剣」などと呼ばれ、多くの作品に登場するようになります。2度目のアニメ化がスタートした『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』のヒュンケルが持つ鎧の魔剣や、映画『パシフィック・リム』でジプシー・デンジャーが装備しているチェーンソードなど、例を挙げればキリがありません。ロボットアニメの世界で斬新な発想を次々と形にしていた高橋監督が世界に遺した、大いなる財産と言えるのではないでしょうか。

 そしてオープニングテーマの「ガリアン・ワールド -Run For Your Life-」とエンディングテーマの「星の1秒」は、劇場版『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』の主題歌「哀・戦士」を手掛けた井上大輔氏が作曲・編曲を担当した名曲です。演奏と歌唱を担当した「EUROX」は『銀河漂流バイファム』の主題歌で少年たちに衝撃を与えた「TAO」のメンバーだった関根安里氏、岡野治雄氏、野澤竜郎氏が中心となって結成したロックバンドで、後に解散しますが再結成され、2009年のOVA『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』で主題歌を担当しています。

 その他にも4足歩行の人馬兵プロマキスが稼働時に排出する脚部のバックファイヤーの迫力など、『ガリアン』は他のロボットアニメでは見ることができない魅力を持つ作品です。オープニングとエンディング、そして18話だけでも十分価値がある作品なので、もし機会があればぜひ見てください。

(早川清一朗)

【画像】非売品プラモデルも付属したLD-BOX

画像ギャラリー

1 2