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TV版『エヴァ』衝撃の最終回放送後 『旧劇場版』上映で…「難しい問題」

頭から離れない、林原めぐみが演じた「焼き殺される女性の悲鳴」

 残念ながらこちらも制作は遅れ、新作劇場版は中止となりました。そして、当初の上映予定だった1997年3月にはTV版の総集編である『DEATH』と25話のリメイクである『REBIRTH』が途中まで上映されることになったのです。

 上映初日、映画館に駆けつけた筆者の目の前に映し出されたのは、特務機関NERV本部が戦略自衛隊に侵入され、壊滅していく姿でした。特にエレベーターの中で火炎放射器に焼き殺される女性の悲鳴は、今でも脳裏に焼き付いています。

 このときの声は、聞いた瞬間にレイ役などを務める林原めぐみさんだとわかったのですが、その演技は「ああ、人が焼き殺されるときの声はこうなんだ」と心の底から理解できるほど壮絶なものだったのです。林原さんの力は、死すら表現しうる水準なのだと戦慄を覚えました。

 悲惨な戦況のなか、TV版では衰弱しきったままだったアスカが復活し、戦略自衛隊を蹴散らします。しかし突如として降下してきた9機の「EVA量産機」(以下、量産機)が空を舞い、アスカが「エヴァシリーズ……完成していたの?」と呟き、主題歌の「魂のルフラン」が流れこの日は一旦幕を閉じました。

 一体この後どうなってしまうのか。その答えは4か月後の『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』で明かされました。アスカと弐号機は量産機を相手に奮戦し一旦は全機を撃破しますが、すぐに復活してきた量産機に蹂躙されて無残な姿を晒します。ミサトとの別れを済ませて出撃したシンジはその光景を見て絶叫、やがてサードインパクトが発生し人類補完計画が発動、物語は終幕へと突き進んでいきます。

 本作のテーマを尋ねられた庵野監督は「最終的には、いいじゃん、他人がいても、ということですね」と語っています。ラストシーンに込められた意味をその言葉だけで理解するのは、筆者にとって今なお難しい問題です。

(早川清一朗)

【画像】複数の「IF」が作られた『エヴァ』の物語

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