平成第1作『ウルトラマンティガ』は常識破りだった? 放送開始の『クロニクルZ』で再注目
『ティガ』で導入された新しい試みの数々

こうして、期待の新作として誕生した『ウルトラマンティガ』は、それまでのシリーズの常識にとらわれず、さまざまな新要素が投入されました。
これまでのウルトラマンのように「M78星雲から来た宇宙人」という設定を廃し、「古代の地球にいた光の巨人」という設定を組み込みます。この設定が作品のなかで大きな意味を持ち、最終回では誰もが光になれるという展開を生み出しました。この設定は、後の作品にも多大な影響を与えます。
見た目で大きく違ったのが、ウルトラマンで初めて本格的に青色をラインに取り入れたことでした。これによりティガはそのままのシルエットで3つの姿にタイプチェンジするという、それまでのウルトラマンになかった特徴を見せます。このタイプチェンジが、これ以降のウルトラマンでは定番となっていくのはみなさんもご存じですね。
ウルトラシリーズで定番の防衛組織にも、大きな変革がありました。本作に登場する防衛組織「GUTS」は、ウルトラシリーズ初の女性隊長に率いられたチームです。これは当時の女性の社会進出を反映したといわれています。
そして、主人公であるダイゴ役に人気アイドルグループ「V6」の長野博さんを起用しました。彼はこれまでのウルトラシリーズの主人公とは違うタイプのキャラであるダイゴを見事に演じきります。
この流れで、オープニングは「V6」が担当しました。初めて「ウルトラマン」という単語が使用されないオープニングでしたが、主題歌として多くの人から支持を得る名曲。劇中で使用された時、ドラマを大いに盛り上げたことからも、そのことがわかります。
作品の人気の高さがよくわかるエピソードは、続編の『ウルトラマンダイナ』が世界観を継続して製作されたこと、放送終了3年後に完結編となる劇場版『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』が公開されたことが挙げられます。さらに、12年後にはティガ=ダイゴを主役として劇場版『大決戦!超ウルトラ8兄弟』が公開されるなど、根強いファンからの支持があることも見逃せません。
本作は放送当時、はじめて親子二世代を取り込んだ番組だと言われていました。かつて昭和ウルトラマンを見ていた親の世代を子供と一緒に取り込んだことに成功し、後に『仮面ライダー』や『機動戦士ガンダム』の戦略にも大きな影響を与えたと言われています。
それからさらに25年。今度は、親子孫三世代でウルトラシリーズを楽しむ時代が訪れたのかもしれませんね。
(加々美利治)






