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『仮面ライダークウガ』放送終了から20年。令和まで続くシリーズの基礎を築いた功績

怪人もライダーも「改造人間」ではない理由

『小説仮面ライダークウガ』(講談社)は、グロンギ族と戦った五代雄介が姿を消してから13年後の物語を描く
『小説仮面ライダークウガ』(講談社)は、グロンギ族と戦った五代雄介が姿を消してから13年後の物語を描く

 また怪人が改造人間ではなく、「グロンギ族」と呼ばれる謎の怪人集団であり、彼らはさまざまなルールのもとで人間を襲う「ゲゲル」という行為を繰り返す者たちとして描かれています。

 彼らがグロンギ語という独自の言語で会話していたことも、作品の大きな特徴でした。本放送当時は大きな反響を巻き起こし、翻訳を試みた視聴者がたくさんいたことを思い出します。なお、筆者はバッタの能力を持つグロンギ「ズ・バヅー・バ」がエピソード6で発した「ガベザガベザ(酒だ酒だ)」だけは、直感で理解できました。

 主人公であるクウガも、リント(人間)の戦士が装飾具アークルの力によって変身した姿なのですが、当初はグロンギと同一視され、白いグローイングフォームは「未確認生命体2号」、赤いクウガことマイティフォームが「未確認生命体4号」と呼ばれており、人類にとって敵か味方か分からない状態が続くなど、人類にとって仮面ライダーが未知の存在であることを強調していたのも、本作の大きな特徴と言えるでしょう。

 なぜこのような設定が行われたのか。その理由は、昭和に比べて平成では義肢や人工臓器の移植が一般的に行われるようになったことが挙げられます。広義にとらえれば、改造人間ことサイボーグは、現実に存在するようになったと言えなくもないのです。そのため「クウガ」では、改造人間という名称は使わないことになり、以降のシリーズでも同様の措置が取られています。

 設定以外にも『クウガ』ではさまざまな新しい試みが行われています。特に印象に残っているのは、バイクを使用したアクションシーンです。本作ではオートバイのスタントにオートバイ競技であるトライアルの元全日本チャンピオン・成田匠氏が参加し、バイクの後輪を敵に叩きつけるなど最高峰のバイクアクションを披露してくれました。また、エピソード31から33にかけては弟の成田亮氏がゴ・バダー・バを演じ、おそらく現時点でも日本の特撮史上最高峰と言えるオートバイアクションバトルを繰り広げてくれました。

 今思い返しても、『クウガ』は仮面ライダーの新たな基軸を作り出した偉大な作品として存在感を発揮しているように思えます。21年にわたり新たなライダーが生み出され、日曜の朝に放送される流れを作った先駆者としての功績は、色あせることは無いでしょう。

 なお、七森美江さんが演じた薔薇のタトゥーの女こと、ラ・バルバ・デは実は生き残っており、後に再びゲゲルを開始しています。この話は2013年に出版された「小説仮面ライダークウガ」で描かれていますので、興味のある方は読んでみてはいかがでしょうか。

(ライター 早川清一朗)

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