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時代と共に変わるウルトラマンごっこ。「赤白帽を縦にかぶる」→平成の変身アイテムは?

「体操着でジャミラ」「赤白帽でウルトラマン」……誰もがやった「ウルトラマンごっこ」ですが、時代とともにどのような変遷をたどっていったのでしょうか。昭和、平成、令和へと、その潮流をたどります。

「赤白帽」から「パーカー」へ…?

1966年に放送開始した、初代『ウルトラマン』。子供たちはスペシウム光線のポーズだけでなく、その姿かたちも真似て遊んでいた。 (C)円谷プロ
1966年に放送開始した、初代『ウルトラマン』。子供たちはスペシウム光線のポーズだけでなく、その姿かたちも真似て遊んでいた。 (C)円谷プロ

 この2021年で「ウルトラマン」が55周年を迎えた、ということは「ウルトラマンごっこ」も55周年です。そしてそれは、シャツを頭から被って「ジャミラ」と言う子供が現れてから半世紀以上経過したことを意味します。

 今回は、誰もがやった「ウルトラマンごっこ」を振り返りつつ、それらが長い歴史のなかで子供たちにどのように受け継がれていったか、その変遷をたどっていきたいと思います。

●赤白帽でウルトラマン…必要なものは学校に揃っていた

「ウルトラマンごっこ」とひと口にいっても、ただ手を十字に組んでスペシウム光線、ダブルピースでバルタン星人……といった簡単なものばかりではありません。本格派(?)の子供たちは身の周りのものを使って可能な限りディティールを再現していたのです。

 最たる例は赤白帽でしょう。昭和中期より学校で普及した赤白帽は、奇しくも縦にかぶれば(向きの違いこそありますが)ウルトラマンの頭部を再現してくれました。

 さらに時代は子供たちの味方をします。「ウルトラマン」が放送されていた頃は米飯給食が始まる前であり、食器も(先割れ)スプーンが主流でした。それゆえに両目にあてがえばウルトラマンの眼になりましたし、掲げればベータカプセル(あるいは第34話「空の贈り物」の時のハヤタのシーン)になりました。

●シャツをかぶって「ジャミラ」になる

 またTシャツをかぶって顔だけをだして、「ジャミラ」になる少年たちも続出します。今思えば、ジャミラが登場する第23話「故郷は地球」は、「ウルトラマン」のなかでも極めて重厚なテーマを扱ったエピソードです。それなのに、なぜこれほどまでにジャミラごっこが浸透したのでしょうか。

 これは私見ですが、ジャミラが「ウルトラ水流」で倒されたことが理由のひとつではないでしょうか。なにせスペシウム光線は出すことができませんが、「水流」なら蛇口をひねれば出てきます。手軽にジャミラ化できることは大前提で、実際に使われた必殺技で倒せる相手としてジャミラは適役だったのかもしれません。

【画像】体操服で簡単に再現できた、「ジャミラ」やウルトラマンの造形(4枚)

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