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『ブラック・ジャック』の奇跡的手術4選! もしかすると実現の日は近い?

天才外科医ブラック・ジャックが起こす神業的手術と、それを取り巻く人間ドラマが描かれた伝説のマンガ『ブラック・ジャック』。連載されたのは1973年から78年までですが、いま読んでもその緻密な描写と発想は圧倒的です! そんな『ブラック・ジャック』の手術のなかでも絶大なインパクトを残した奇跡の手術のエピソードを紹介します。

違う生物同士で脳を移植! 神の領域に踏み込んだ手術

馬の脳をヒトへ移植するエピソードを収録した、『ブラック・ジャック』第15巻(手塚プロダクション)
馬の脳をヒトへ移植するエピソードを収録した、『ブラック・ジャック』第15巻(手塚プロダクション)

 手塚治虫先生が40年以上前に描いた伝説のマンガ『ブラック・ジャック』。作中で天才外科医ブラック・ジャックが成功させる手術は、ほとんど奇跡としか言いようがないものばかり。今回はそのなかでもひと際インパクトのある奇跡の手術をご紹介します。もしかすると技術の進歩で近い将来実現するかも……?

●馬の脳を人間に移植する手術

 まず紹介するのは「化身」というエピソードです。馬を愛する少年トミーとその愛馬プロミネンスがひき逃げされる事件が発生。トミーは病院に運ばれますが、頭に重度のダメージを負い、もう命は助からないと診断されます。この状態を見てブラック・ジャックも「脳を取り替えでもしなきゃ助からない」と言うのですが、トミーの父は「生きてさえいてくれればいい」とその手術を依頼。50万ドルで依頼を引き受けたブラック・ジャックは、なんと瀕死だったプロミネンスの脳をトミーの頭に移植する手術をおこなうのでした。

 脳が別人でも助かればいいと依頼するトミーの父親もすごいですが、それを承諾し、しかも馬の脳を移植してしまうブラック・ジャックの発想と技術、やはり尋常ではありません。

●ヒトを鳥にする手術

 続いては「人間鳥」というエピソードです。生まれつき歩くことができず、毎日窓から外を眺めていた少女イカル。そんな彼女に対し、自身も幼い頃爆弾事故に遭って車椅子生活を送っていたブラック・ジャックは感情移入してしまいます。彼は自由な空に憧れるイカルの体に補助用の人工筋肉を埋め込む手術を行います。最終的に鳥のような大きな翼を手に入れた彼女は、なんと自力で空を飛べるようになりました。

 しかし、せっかく自由を手に入れたイカルは、彼女を見世物にしようと企む悪い男に狙われたり、銃で撃たれたりとひどい目にあってしまいます。人間としての生活に絶望した彼女はブラック・ジャックに「全身を鳥にして欲しい」と依頼。その通りに完全に鳥となったイカルはブラック・ジャックが見守るなか、山へと羽ばたいていくのでした。

 「化身」「人間鳥」はいずれもヒトと動物の境界へと踏み込んだ衝撃の作品。近年、「ブタの体内でヒトの臓器を育てヒトに移植する研究」や「サルの脳にヒトの遺伝子を移植すると認知機能が改善した研究」などの報道もされていますが、さすがにここまでの手術は技術的にも倫理的にもまだまだ神の領域かもしれません。

【画像】ありえない奇跡の手術が描かれた『ブラック・ジャック』単行本(4枚)

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